Technics SB-MX2
¥29,800(1台、1988年頃)
解説
TMD(テクニクス・モノコック・ダイヤフラム)を採用した2ウェイスピーカーシステム。
低域には18cmコーン型ウーファーを搭載しています。
このユニットには複合マイカ振動板を採用しており、軽量・高剛性・高内部損失の振動板素材であるマイカを主成分に、天然パルプ、自己融着性ノボラック繊維を混ぜることで高域再生限界を高めています。また、振動板構造にはTMD(テクニクス・モノコック・ダイアグラム)を採用しており、従来のコーン型では別ピースであったコーン部とセンターキャップ部を一体構造化とし、さらにコンピューターシミュレーションから選び抜かれた独自の形状を採用することで、剛性を飛躍的に向上させています。その結果カップリングコーンによる節駆動と相まって、従来のコーン型の2倍にも及ぶピストンモーション域の拡大を実現しています。
磁気回路には外径80mmメインマグネットと75mmサブマグネットを組み合わせたデュアルマグネットを採用しています。さらに、シールドカバーで覆うことで、磁束密度を高めるとともに外部への漏洩磁束を遮断しています。
高域にはピュアマイカを用いた2.5cmドーム型トゥイーターを搭載しています。
振動板にピュアマイカを採用することでウーファーとつながりの良い音を可能にしています。また、マイカは高内部損失に持っているため、他の金属振動板に起こりがちな固有の鳴きを抑えており、透明な高音を実現しています。さらに振動板前面のイコライザを廃し、高域の抜けの良さを改善しています。
磁気回路にはデュアルマグネット構造を採用しており、強力な駆動力と防磁設計を実現しています。
ネットワーク部には、オーディオ専用低歪チョークコイルや低損失オーディオ用電解コンデンサー、無酸素銅を用いた内部配線などを使用しています。また、ネットワーク素子同士を直接よじり合わせて結線することで、高音質化を図っています。
エンクロージャーは中央部を一枚の板で仕切ることで強度を向上させたクロスブリッジドエンクロージャーを採用しています。また、キャビネット素材には高密度パーチクルボードを使用しており、全ての素材に音響特性に優れた木を使用することで、自然な響きを持たせています。
フロンとバッフルは角に丸みをつけたラウンド仕上げとしており、コーナー部での音波の回折による音像定位の乱れを抑えています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型・防磁設計 |
使用ユニット | 低域用:18cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
再生周波数帯域 | 40Hz~45kHz -16dB |
クロスオーバー周波数 | 2kHz |
インピーダンス | 6Ω |
出力音圧レベル | 89dB/W/m |
許容入力 | 120W(MUSIC) 60W(DIN) |
外形寸法 | 幅240x高さ380x奥行236mm(ネット付き) |
重量 | 7.5kg |