Technics SV-MD1
¥279,000(1989年頃)
解説
MASH型A/Dコンバーターを搭載したポータブルDATレコーダー。
A/Dコンバーターを中心とする録音系にはMASH型A/Dコンバーターを搭載しています。
この回路では、まず、64倍オーバーサンプリングA/D変換方式のA/Dコンバータとデジタルフィルタを搭載しています。そして、MASHは1ビット量子化器を3段以上の多段に従属接続することによって発振の問題を解消し、16bit以上で約90dBの安定したS/N比を実現しています。さらに、録音系の周波数特性や位相特性を向上することで群遅延特性の劣化を抑制しています。
このA/Dコンバーターは左右それぞれに搭載することでチャンネル間位相を解消しており、高精度デジタルフィルタと3次のアナログローパスフィルターの採用と相まって高品位録音を実現しています。
メカニズム部には、アモルファス・フェライト複合小型ヘッドや超小型高精度シャフトベアリング等を採用して完成させた直径15mmの超小型シリンダを搭載しています。また、新開発の超小型ブラシレスDDモーターを搭載し、サーボには位相センサー及び回転センサーに光学式を採用することで、電気信号系との相互干渉のない安定したコントロールを実現しています。
さらに、テープのヘッドタッチを最適の状態にするため、精密ダイキャストシャーシをさいようしています。
アナログオーディオ回路には新開発の専用ICを採用しています。また、電源回路はデジタル系とアナログ系を分離することで回路間の干渉を徹底して排除しています。
左右独立の専用マイクアンプを採用しており、低歪・低雑音を実現しています。
ディスプレイ部のバックライトは、バッテリー動作時には点灯してから20秒経過すると自動的に消灯するよう設計されています。ACアダプタ使用時は連続点灯します。
オートプログラムナンバリング機能を搭載しており、録音時に曲番を自動記録できます。
曲間検出レベルは-40dB/-60dBと切換えができます。また、録音中にPLAYキーを押して任意の場所にプログラムナンバーを設定することもできます。
エンドサーチを搭載しており、録音されている部分の終端を自動検出できます。
テープカウンタ/ステップディスプレイを搭載しています。
テープカウンタは、プログラム予約時は予約番号(何曲目を予約検索中か)を表示します。
機種の定格
型式 | ポータブルDATレコーダ |
テープ記録方式 | 回転ヘッド方式、DAT |
標本化周波数 | 録音時:48kHz 再生時:48kHz、44.1kHz(自動切換) |
ヘッド | アモルファス・フェライト複合型 |
ワウフラッター | 測定限界以下 |
周波数特性 | 10Hz~22kHz +0.5 -1.0dB |
ダイナミックレンジ | 90dB以上(録音/再生) |
SN比 | 90dB以上(録音/再生) |
全高調波歪率 | 0.008%以下 |
テープ速度 | 8.15mm/sec |
デジタル出力端子 | 同軸(75Ω、付属コード使用) |
ヘッドホン出力 | 最大30mW/16Ω(可変) |
電源・消費電力 | AC100V、50Hz/60Hz 20VA(付属充電器兼ACアダプタ使用時) DC6V、約3.9W(付属充電電池使用時) DC in 6V(別売カーバッテリーアダプタ使用時) |
最大外形寸法 | 幅228x高さ44x奥行137mm |
重量 | 1.45kg(充電池含む) |
付属 | 充電電池 充電器兼用ACアダプタ キャリングケース キャリングベルト テープ ピンコードx2 デジタル同軸出力コードx1 |