Panasonic SV-DA10
¥107,000(1990年頃)
解説
MASH1ビットAD/DAコンバーターを搭載したDATデッキ。
AD変換部ではMASH・1ビットD/A変換方式の基幹テクノロジーである多段ノイズシェーピング回路をADコンバーターに採用しています。このADコンバーターは、64倍オーバーsなプリング動作で、極めて高速微細に音声信号を量子化する3次ノイズシェイピング回路と、2段のデジタルフィルターをワンパッケージのLSIで左右独立構成としています。
高速微細な量子化とノイズシェイピングにより、16ビット以上で約90dBの安定したSN比を実現するとともに、従来の電流積分型や連続比較型ADコンバーターで発生していたノンリニア歪やゼロクロス歪を解消し、微小な音楽信号もそのままデジタル信号へ変換することに成功しています。
さらにSV-DA10では、デジタル信号処理回路でDAT規格最大の3重エラー訂正を行っており、デジタル信号の忠実度を高めてます。
DA変換部にはMASH・1ビットDACを採用しています。
水晶を用いた高精度クロックシグナル基準の1ビットDA変換出力により、ゼロクロス歪だけでなく、従来ビット切換えポイントで発生していた歪を原理的に排除しています。
メカニズム部を支えるシャーシには高精度一体成型アルミダイキャストを採用しています。さらに、テープ巻取り側の傾斜ポストを、このシャーシに固定配置することでテープ走行精度を高めています。
また、ヘッドシリンダとキャプスタンの駆動には、ダイレクトドライブ方式を採用し、シリンダモーターは高トルク・ネオジウムマグネットを採用しています。そしてキャプスタンモーターには高慣性高FG周波数設計とすることで外乱による回転変動を従来の約1/2に抑えています。
ロータリーヘッドシリンダには、高精度SSB(サイレントシャフトベアリング)を採用するなど、メカノイズの発生を大幅に抑制しています。また、シリンダの加工精度の見直しなど、静穏設計を施す事で静粛性を高めています。
ヘッドには、ギャップ周囲にアモルファス層を蒸着させた独自のMIG(メタル・イン・ギャップ)タイプ・アモルファスヘッドを採用しています。
テープ走行をさらに安定化させるため、メカニズムとともに開発されたサーボ専用のプロセッサを搭載しています。
このプロセッサでは、シリンダ回転、キャプスタン回転、ATF(オートマティック・トラックファインディング)制御をはじめ、各々のモードにおけるメカニズムの関連動作まで含めて統合的にコントロールを行っており、従来ハードウェア制御だったこれらの処理をソフトウェアで最適制御することで、クイックアクションでスムーズな走行モードの移行と安定したテープ走行を実現しています。
1/2~15倍速の範囲で正逆7段階可変速のダイヤル式シャトルサーチを搭載してます。
巻戻し・早送りともに最高400倍速が可能なハイパーメモサーチを搭載しています。
サブコードエリアを使用したID記録によるアフレコ編集が可能です。
これによりIDの記録によって、録音したラジオのCMや曲間のMCなどをスキップさせることや、曲順もプログラム順にランダムアクセスすることができます。
これらのIDはリライトや消去ができ、IDを無視する再生モードもあります。
デジタル制御によるフェードイン/フェードアウト専用ボタンを搭載しており、スムーズで確実なフェーディング作業が可能です。
SCMS(Serial Copy Management System)を搭載しており、CDなどのデジタルソースからデジタル信号のまま録音が可能ですが、一度デジタル信号のまま録音したDATテープからは、デジタル信号のまま録音することはできません。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
シャンペンゴールドとブラックの2種類のカラーバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | DATデッキ |
<信号フォーマット> | |
テープ記録方式 | 回転ヘッド方式DAT |
標本化周波数 | 録音時:48kHz、44.1kHz、32kHz(デジタル入力自動切換) 再生時:48kHz、44.1kHz、32kHz(自動切換) |
量子化ビット数 | 16ビット直線 |
チャンネル数 | 2チャンネル、ステレオ |
<オーディオ(アナログ録音特性> | |
周波数特性 | 2Hz~22kHz(EIAJ) |
ダイナミックレンジ | 90dB以上(EIAJ) |
SN比 | 90dB以上(EIAJ) |
全高調波歪率 | 0.008%以下(EIAJ) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下 |
<入力端子> | |
デジタル | 同軸(75Ω)、光、※切換えスイッチ搭載 |
アナログ | RCAピン:1系統 |
<出力端子> | |
デジタル | 同軸(75Ω)、光、※パラレル出力 |
アナログ | RCAピン:1系統 |
<メカニズム> | |
ヘッド | アモルファス・フェライト複合型 |
シリンダ直径 | 30mm |
シリンダ回転数 | 2000r.p.m.(録音・再生時) |
テープ速度 | 8.15mm/s、12.225mm/s、※自動切換 |
サーチ速度 | 最大400倍速 |
早巻時間 | 約27秒(120分テープ) |
<総合> | |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 25W |
外形寸法 | 幅430x高さ122x奥行339mm |
重量 | 5.7kg |
付属 | ワイヤレスリモコン 電源コード ステレオピンコード |