解説　

2ADC・18bit録音システムを搭載したDATデッキ。

A/D変換部には独自の2ADC・18bit録音システムを採用しています。
この回路では、微小レベルの入力信号を4倍に演算増幅したうえで、左右独立に配したADコンバーターでA/D変換し、その後デジタル演算によって出力を1/4に減産してます。これにより、微小信号時におけるリニアリティを大幅に改善するとともに94dB以上の高SN比を実現しています。

D/A変換部には4DAC・18bit変換システムを採用しています。
この方式では、左右チャンネルのそれぞれに、正信号側専用と負信号側専用の2個のD/Aコンバーターを搭載した4DAC構成を採用しています。そして、入力されたデジタル信号を個別にD/A変換したうえで、各成分のリニアリティの良い部分のみを合成することにより、微小信号の再生に妨げとなるゼロクロス歪を原理的にシャットアウトしています。さらに、4DACプロセッサーの高精度コントロールによって18bitの高分解能を獲得しており、266次の高精度4倍オーバーサンプリングデジタルフィルタの採用とあいまって、音楽のディテール再現能力を向上させています。

録音系及び再生系のサンプルホールド回路、バッファアンプ、ヘッドアンプなどの計8ヶ所にclassAA方式を採用しています。これにより、正確な波形伝送能力によって中高域の解像度を高めています。
また電源部には独自のアクティブサーボ電源を搭載し、優れたレギュレーションとローノイズを実現しています。

光と同軸それぞれ1系統の入出力端子を搭載しています。

サンプリング周波数は48kHz録音/再生、44.1kHz再生、32kHz録音/再生の3モードに対応しています。

編集機能を搭載しており、録音済テープに頭出しの位置(スタートID)や自動飛び越しの始点(スキップID)を任意にアフレコで記録・消去できます。さらに、アフレコ専用のEDITキーを搭載しており、EDITオフ状態であれば、誤ってスタートIDやスキップIDの記録/消去キーを押してもアフレコ動作に入らず、誤動作を防げます。

オートモードを搭載しており、録音時に約2秒間以上の無音部が続くと、自動的にスタートID及び曲数を記録できます。

不要スタートID自動消去機能を搭載しており、スタートID記録位置の微調整に活用できます。

高速リナンバー機能を搭載しています。この機能では、新しく録音したスタートIDに曲番を付ける際に100倍速で高速走行しながら曲番をチェックし、修正すべき部分のみ曲番を訂正できます。

30ステップ・プログラムプレイ機能を搭載しています。
独自のCRV(Constant Relative Velocity)サーボシステムによって200倍速サーチを実現しており、高精度のプログラムプレイやダイレクトアクセスを実現しています。
また、連続予約キーを搭載することでプログラム予約操作の操作性を向上しています。

クリーニングインジケーターを搭載しています。
回転ヘッドが汚れると再生中にクリーニングインジケーターが点灯し、やがて点滅してクリーニングを要求します。

別売タイマーを使用することでタイマー録音が可能です。

ディスプレイで総記録時間(absolute)、テープ各曲の記録時間(program)、テープカウンタ(counter)の3通りの表示が可能です。
また、演奏中の曲番や予約順、サーチ時の通過曲番等を表示でき、-60dB～0dBのデジタルレスポンス・レベルメーターも搭載しています。

入力切換キーを搭載しています。
通常はanalog、デジタル入力で録音する時はdigitalを選択します。

A-Bリピートキーを搭載しており、任意の区間を設定して16回まで繰り返し再生ができます。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

CDプレイヤーやコピーガードが記録されたソースからのデジタルコピーはできません。

機種の定格

型式	DATデッキ
テープ記録方式	回転ヘッド方式DAT
標本化周波数	録音時:48kHz、32kHz(デジタル入力時自動切換) 再生時:48kHz、44.1kHz、32kHz(自動切換)
ヘッド	アモルファス・フェライト複合型
ワウフラッター	測定限界以下
周波数特性	1Hz～22kHz ±0.5dB
ダイナミックレンジ	92dB以上 98dB以上(再生)
SN比	94dB以上
全高調波歪率	0.005%以下(1kHz、0dB)
テープ速度	8.15mm/sec、12.225mm/sec(自動切換)
デジタル入出力端子	同軸(75Ω)、光
ヘッドホン出力	30mW/32Ω(可変)
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	35W
外形寸法	幅480x高さ115x奥行345mm
重量	8.7kg
付属	ワイヤレスリモコン