Panasonic RS-B755
¥49,800(1989年頃)
解説
リニアマグネフィールド・クラスAAを搭載した3ヘッドカセットデッキ。
メカニズム部には新開発のダイレクト・ドライブ・メカニズムを採用しています。
このメカニズムの駆動モーターにはデジタルサーボ制御によるD.D.モーターを採用しており、モーター回路によって起こるFGパルスとクォーツ発振による基準クロックを直接デジタル比較することで、モーターの回転精度をクロック発振精度と同じとし、正確な回転を実現しています。
また、モーターは従来の約3倍のトルクを得られるように設計されており、余裕を持った正確なテープスピードを得ています。しかも、ダイレクトドライブ方式を採用することでテープ走行メカニズム上での回転部品を排除し、変調ノイズを追放するとともにベルト等の部品による経年劣化を低減しています。
DDモーターのロータ(フライホイール)には亜鉛ダイキャストを使用しており、一個ごとにダイナミックバランスを調整し、高精度に加工することでトルクリップルを抑えています。さらに、制御回路及び駆動コイルを同一基板に一体化してフライホイール受け板の内側に取付けており、受け板がシールド効果を果たすことで外来ノイズの侵入と不要ノイズの発生を防止しています。
シャーシにはCDプレイヤー等で採用されたTNRCベースを採用しており、スピーカーから伝わる音圧振動を低減しています。
カセットハーフのパワーアシストローディング機構と、カセットハーフスタビライザを搭載しています。
パワーアシストローディング機構では、専用のモーターでカムをドライブすることでガラス繊維入り高剛性カセットホルダをメカニズムの定位置にしっかり位置決めしています。さらに、カセットハーフスタビライザによってハーフを上から押え、テープ走行によって発生するハーフ自体の振動を最小限に抑えています。
録音アンプ部にはリニアマグネフィールドクラスAAを採用しています。
この方式では、電圧制御アンプは帰還回路にイコライザ素子を持っており、録音イコライザ特性を持った電圧を出力します。そして、電流供給アンプはこの電圧出力を電流に変換し、電圧に比例した電流をヘッドに供給してます。これにより、ヘッドで発生する信号磁界は、ゲイン、位相共に電圧制御アンプの出力信号のままとなり、磁界の波形応答を大きく改善しています。
デジタルソースの録音レベルの設定が正確に行えるAPRSを搭載しています。
APRSでは、録音ポーズ状態で信号を入力してAPRSボタンをONにすると、その時以後に入力される信号レベルの最大値をホールドしてメーターに表示できます。その後、Rec
Levelツマミを動かすだけでメーター上のホールド表示がそれに合わせて移動し、適正な録音レベルに設定できます。
レンジ切換え機能を装備したレベルメーターを搭載しており、スイッチ切換えで1dBステップの表示も可能です。
ヘッドにはPC-OCC巻線を用いたパーマロイ3ヘッドを搭載しています。
ドルビーHX-PROを搭載しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーB・Cの2種類を搭載しています。
リニア電子カウンターを搭載しており、メモリーストップやメモリーリピートが行えます。
出力可変式のクラスAAヘッドフォンアンプを内蔵しています。
左右チャンネルが独立したRECキャリブレーターを搭載しています。
ON/OFFスイッチ付きのMPXフィルタを搭載しています。
オートRECミュートを搭載しています。
ワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | カセットデッキ |
ヘッド | 録音/再生:パーマロイコンビネーションヘッドx1 消去:ダブルギャップフェライトヘッドx1 |
ワウフラッター | 0.05%(W.R.M.S) ±0.11%(Wpeak、EIAJ) |
周波数特性(EIAJ) | ノーマル(ED):30Hz~17kHz ±3dB CrO2:30Hz~18kHz ±3dB メタル:30Hz~19kHz ±3dB |
S/N比(クロムテープ) | NR off:57dB(WTD、1kHz、3%3次歪率) Dolby B NR in:66dB(CCIR) Dolby C NR in:74dB(CCIR) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 19W |
外形寸法 | 幅430x高さ135x奥行290mm |
重量 | 5.3kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RAK-RS3002W |