Technics RS-610U
¥43,800(1973年頃)
解説
前面から操作が可能なカセットデッキ。
メカニズム部はオーソドックスな1モーターのベルトドライブ方式を採用しており、モーターには電子速度制御の直流モーターを採用しています。
テープを保護するためFFやREWなどの早巻きから直接PLAYに移れないように設計されています。また、PAUSEにはロック式を採用しています。
テープの終端ではオートストップがかかり、メカニズムが完全に解放されます。
録再ヘッドにはテクニクスが開発したLHヘッドを採用しています。このヘッドは従来のパーマロイ・ヘッドに比べて約10倍の寿命を持っており、クロームテープに対しても対応しています。
また、消去ヘッドにはクロームテープ対策を講じた全面フェライト構成のダブル・フィールド型を採用しています。
ヘッドカバーは着脱式となっており、メンテナンス性が向上しています。
電気回路はリニアリティと低歪率、低雑音を重視した設計が採用されています。
アンプの初段にはハイゲイン・ローノイズタイプのトランジスタ(2SC1327)を採用しています。また、電源部にはリップルフィルタを採用しており、電源トランスにはオリエントコアのシールドを施して安定化とSN比の向上を図っています。
マイクアンプ及びヘッドアンプには、バイアスリークの影響を抑えるためとラップコイルが挿入されています。
発振回路には2SC1449を用いたシングル方式を採用しており、発振周波数は80kHzとなっています。
また、発振コイルにはシールドケースによる密閉型を採用しています。
ノイズリダクションシステムとしてドルビーNRを搭載しています。
テープセレクターはノーマルとCrO2の2段切換え式となっており、クロームテープに対しては70μSの新定数を採用しることで音質改善を図っています。
録音レベルの調節は大型ツマミによる2連メインボリューム方式を採用しており、左右チャンネルのバランスが取りやすくなっています。また、独立したバランスボリュームを搭載しており、チャンネル間のバランス調整が可能です。
機種の定格
型式 | カセットステレオテープデッキ |
ヘッド | 録再:高硬度パーマロイヘッド 消去:ダブルフィールドフェライト |
モーター | 電子速度制御モーター |
テープ速度 | 4.8cm/s |
録音トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ |
録音バイアス周波数 | ACバイアス、85kHz |
消去方式 | AC消去 |
SN比 | Dolby out:50dB以上 |
ワウ・フラッター | 0.15%以下 |
周波数特性 | Normal:30Hz~13kHz CrO2:30Hz~15kHz |
早送り巻戻し時間 | 90秒(C-60テープ) |
最大入力感度/インピーダンス | Mic:0.25mV(-72dB)/600Ω~20kΩ Line in:60mV(-24dB)/470kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line out:420mV(-7.5dB)/50kΩ以上 Headphone:45mV(最大)/8Ω |
使用半導体 | トランジスタ:24個 FET:2個 ダイオード:16個 整流器:2個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 約8W |
外形寸法 | 幅336x高さ116x奥行290mm |
重量 | 約6kg |