Technics RS-605U
¥39,800(1976年発売)
解説
正面から操作可能なデザインを低価格で採用したステレオカセットデッキ。
メカニズム部には水平駆動方式を採用しており、回転ムラが少なく長時間安定した性能を確保しています。
駆動方式には電子制御型DCモーターによるベルト駆動方式を採用しており、精密仕上げのフライホイールや精度を追求した平ベルトなどの目に見えない部分の積み重ねで安定した性能を引き出しています。
録再ヘッドにはLHヘッド(Long Life High Density)を採用しています。
このヘッドには硬度の高いパーマロイを素材として採用しています。
消去ヘッドには耐摩耗性を考慮した全面フェライト構成と消去効率の良いダブルギャップ型を採用しています。
ドアオープンに特殊オイルを用いたオイルダンプ式カセットドアを採用しています。
ドア自体の面積を大きくとっており、内部に照明を配することでテープの走行状態を見やすくすると共にヘッドの清掃もしやすくなっています。
ポーズに独立した機構を採用しており、ピンチローラーだけをキャプスタンから離してテープはそのままヘッドに圧着させる方式となっています。これにより録音中にポーズをかけてもバイアスの増減によって生じる雑音がテープに録音される心配がありません。
また、ffやrewなどの早巻き状態からplayにいきなり切り換わる心配のないように設計されており、テープへの負担を抑えています。
タイマースタンバイ機構を搭載しています。
recordやplayのボタンと同時にtimer stand byのボタンを押すとタイマーによる電源ONと同時に自動的に録音が開始されます。
通常時のフライホイールの回転力で始動させる設計となっていますが、待機中にピンチローラーはキャプスタンから離れるためメカニズムに対する負担がありません。
録音ボリュームには41ステップのレコーディング調整ボリュームを採用しています。
左右チャンネル用のボリュームが同軸で独立している2軸2重摩擦駆動式となっており、左右のバランス調整が不要な場合には手軽にレベル設定が可能です。
3ポジションのテープセレクターを搭載しています。
クローム時はCrO2、ローノイズやSGはnormal、2層塗テープはexにすると効果的となっています。
特性の切換はバイアスとイコライザの選択で行っています。
大型レベルメーターを搭載しています。
アンプ部には余裕を持たせた設計を重視し、低雑音、低歪率、さらにダイナミックレンジの確保に全力をあげています。
イコライザ回路は2段直結の構成となっており、初段には特に低雑音のトランジスタである2SC1327を採用しています。
機構的にはプリント基板の特長を生かしてシールド線の使用を最小限に留めることで性能と信頼性の向上を図っています。また、ダイナミックレンジを確保するためにテープ自体の限界を上回る余裕あるリニアリティ(0VU以上で19dB)が保証されています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
録音バイアス方式 | 交流バイアス85kHz |
消去方式 | 交流消去 |
トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ |
ヘッド構成 | 録再用:LH 消去用:ダブルギャップフェライト |
使用モーター | 電子制御DCモーターx1 |
テープ速度 | 4.8cm/s |
周波数特性 | Normal:30Hz~13kHz CrO2/ex:30Hz~14kHz |
SN比 | 50dB |
ワウフラッター | 0.13%(WRMS) |
入力感度/インピーダンス | Mic:0.25mV(-72dB)/400Ω~20kΩ Line in:60mV(-24dB)/47kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line out:420mV(-7.5dB)/50kΩ以上 Headphone:65mV/8Ω |
使用半導体 | トランジスタ:16個 ダイオード:8個 その他半導体:2個 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 約9W |
外形寸法 | 幅410x高さ136x奥行244mm |
重量 | 約4.0kg |