Technics SH-P1
※受注生産
¥800,000(1979年頃)
解説
ビデオデッキと組合せてPCM録音、再生するためのPCMレコーディングプロセッサ。
ビデオテープの音声トラックにクレジット録音やモニター録音が可能です。
ビデオテープの音声トラックに、通常の信号のままメモ録音できるクレジット・マイクジャックを搭載しています。曲名や演奏者名、録音日時などを録音できるため、デジタル録音のテープをVTRで再生してテープの録音内容を確認できます。
また、デジタル録音された内容と同じものを音声トラックにアナログ録音できるため、モニターや曲の頭出しができます。
A/D変換とD/A変換には折線量子化を採用しています。
録音モード/再生モードの自動切換え機能を搭載しています。
Rec/PlaybackセレクタのAutoボタンを押しておくと、VTRを使ってPCM録音をしている時はプロセッサも録音状態(A/D変換)となり、再生の時は自動的に再生状態(D/A変換)となります。
この機構はVTR出力端子には録音中でも内容の確認ができるように出力信号が常に出ていることを利用したもので、入力と出力の信号が同じであれば録音、別なら再生中とプロセッサが判断して切換えています。
VTRのヘッドと再生テープの角度調整(トラッキング調整)用にLEDインジケーターを搭載しています。
SH-P1ではヘッドのズレ下限を本体前面パネル上に32個並んだLEDの位置で表しており、視覚的に確認ができるようになっています。このメーターが最大に振れるところが最良の調整ポイントです。
左右チャンネル別々のレベル合わせ用ボリューム(回転角度300゜)のほかに、両チャンネル同時に調整できるフェードボリュームを搭載しています。このボリュームは回転角度が通常の1/2の150゜となっており、フェードイン・フェードアウトの動作が素早く行えます。
ステレオ時は標準規格の20kHzまでですが、モノラルモードで録音することで40kHzまで伸ばすことができます。
これによりオーディオ信号以外の各種超音波情報や40kHzまでの電気信号・データなどもデジタル化できます。
レベルインジケーターは2dBステップとなっています。
このインジケーターはピークホールドが可能です。
録音時の2台のVTRが接続できます。
基本モデルは入出力端子がピンジャックとなっていますが、必要に応じてキャノン端子やBNC端子を追加することができます。
デジタルミキサーやその他デジタル周辺機器との接続も考慮した設計となっています。
440Hzの基準信号発生器を内蔵しており、レベルチェックやレベル合わせが可能です。
デジタルダビングユニットを追加するとデジタル信号のままダビングが可能です。
機種の定格
型式 | PCMレコーディングプロセッサ |
周波数特性 | 2Hz~20kHz +0.5 -1.0dB |
歪率 | 0.03%以下 |
ダイナミックレンジ | 85dB以上 |
オーディオライン入力 | 入力レベル:142mV R.M.S. 入力インピーダンス:50kΩ不平衡 |
マイク入力 | 入力レベル:-66dB 入力インピーダンス:600Ω |
クレジットマイク入力 | 入力レベル:-66dB以上 入力インピーダンス:100kΩ |
ビデオ入力 | 入力レベル:1Vp-p 入力インピーダンス:75Ω不平衡 |
オーディオ出力 | 出力レベル:250mV R.M.S. 出力インピーダンス:560Ω不平衡 |
ビデオ出力 | 出力レベル:1Vp-p 出力インピーダンス:75Ω不平衡 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 100W |
外形寸法 | 幅450x高さ205x奥行480mm |
重量 | 22kg |