Technics SH-9038R
※受注生産品
価格不明(1977年12月下旬~1978年10月31日)
解説
FMアンテナの方向を最適方向に選ぶためのデータや、放送電波のグレードを判断し、対策をたてるためのデータを提供する機能を持つクォーツシンセサイザFMレセプションコントローラー。
ST-9038Tとの組合せにより、与えられた条件化で最高の受信性能を発揮する設計となっています。
電界強度ディスプレイを搭載しており、電界強度を20dB(10μV)から110dB(316mV)まで2dBステップでデジタル表示します。
マルチパスレベルディスプレイを搭載しており、放送電波が山やビルに反射して生じる多重反射(マルチパス)のレベルを、IF段の途中から取り出して1dBステップでデジタル表示します。
メモリ付自動アンテナ回転機構を搭載しており、付属のアンテナ・ローテータを使用することで、フロントパネルのスイッチ操作でアンテナを左右いずれの方向にも自由に回転可能です。
また、その際のアンテナ方向は任意に設定した基準方向に対しての偏差を0゜から358゜まで2゜ステップでデジタル表示します。
さらに、受信電波の電界強度、マルチパスの両レベルを測定しながらアンテナの最適方向を決定し、その方向を8局までメモリーすることが可能です。このメモリーを完了することで、その局を受信する際に、ディスプレイをアンテナディレクションに合わせ、ローテータスイッチをautoにすれば、アンテナはチューニングボタンを押すだけで自動的にその方向へ回転します。
SH-9038Rはクォーツシンセサイザを搭載しているため、ST-9038Tと組み合わせる事でダブル・クォーツ・シンセサイザを構成し、極めて高度な受信性能を実現します。
この結果、SH-9038RのRFラインセレクタにより4つの受信モードが選択可能です。
弱電界で威力を発揮するブースター機能にRFラインセレクタをセットすると、30dBのゲインを持つRFアンプが挿入され、ST-9038Tと組合わせた時の実用感度は75Ωラインで、-4dB(0.6μV)を実現し、バリコンで言うと7連相当のRF段を構成します。
妨害排除能力を高めるリピータ機能にRFラインセレクタをセットすると、SH-9038Rのリピータ機能とST-9038Tを合計して14連バリコン相当のチューナーとなり、±400kHzで90dB以上のIM妨害排除特性が得られます。
強電界では入力を30dB減衰できるアッテネーターを挿入できます。また、SH-9038Rをスルーするスルーポジションも搭載しています。
チューニングセレクタをintにすれば、フライホイールによる従来感覚のマニュアルチューニングが可能です。
半回転で100kHzの送りがアップ・ダウンとも連続的に行えます。
ST-9038Tと同様にシールド効果の良いダイカストキャビネットを採用しています。
ST-9038T及びマイコン・プログラマブルユニットSH-9038Rとの接続は、16pinバスラインによりワンタッチで接続できます。
機種の定格
型式 | クォーツシンセサイザFMレセプションコントローラ |
付属 | アンテナローテータ パワーユニット |