Technics SH-3580
¥47,800(1973年頃)
解説
CD-4方式レコード再生用に開発されたディモジュレーター。
キャリア信号をFM検波して差信号を取り出すFM検波回路にPLL(Phase Locked Loop)回路を採用しています。
これにより、レコードが磨耗してキャリアレベルが低下している場合や、埃などでキャリア信号がドロップアウトした場合に生じる雑音や歪音を解消しています。
4chカートリッジの出力さを補正するためキャリアレベル調整ツマミを搭載しています。
イコライザ回路にはICを採用しており、低雑音・高ゲイン・ワイドダイナミックレンジを得るとともに、性能のバラツキを抑えています。
Phono端子には3つのポジションが設けられており、Phono1は半導体カートリッジ用、Phono2はマグネチック用、Phono3はセラミック用となっています。
フロントパネルに調整ツマミを搭載しており、カートリッジ交換時のセパレーション調整が簡単に行えます。
セレクタにはロック式セレクタを採用しています。
SH-3580では、裏面パネルのバイアス切換スイッチをONにした場合、Phono1に接続した半導体カートリッジにバイアス電流を供給するよう設計されています。Phono1に誤ってMAG型カートリッジを接続した場合などに、バイアス電流が流れてしまうミスを防ぐため、Phono1にする時にはLOCKボタンを押さなければセレクタが回りません。
Phono1と2が共用できるCOM端子を搭載しています。
この端子にプレイヤーを接続した場合、半導体とMAG型の両方のカートリッジがシェル交換のみで使い分けることができます。
ファンクションツマミは、従来の2chレコード再生用の2ch、ディスクリート4chレコード再生用の4ch、4ch
inに接続した他の4chソース再生用のExternalの3つのポジションがあります。
2chの位置にセットすると、リアからもフロントと同じ音が再生されます。
4連ボリュームを採用しており、4chソースの音量をボリューム1つで調整できます。また、一度セットすればツマミの回転がその位置で止まるプリセット式となっています。
Pre out端子を搭載しています。
この端子から出力を取ると2chのイコライザとして動作します。また、録音端子としても使用できます。
機種の定格
型式 | CD-4システムディスクディモジュレータ |
周波数特性 | 20Hz~15kHz |
定格入力レベル | Phono1:3mV(半導体カートリッジ用) Phono1/2:3mV(半導体カートリッジ用) Phono2:2mV(マグネチックカートリッジ用) Levelスイッチ Low:2mV High:7mV Phono3:100mV(セラミックやマグネステイトカートリッジ用) |
定格出力レベル | 300mV |
2チャンネル出力 | Pre out Low:3mV High:150mV |
入力インピーダンス | Phono1:2.2kΩ Phono1/2:100kΩ(半導体時:2.2kΩ、マグネチック時:100kΩ) Phono2:100kΩ Phono3:1MΩ |
出力インピーダンス | 500Ω |
使用半導体 | IC:10個 トランジスタ:42個 ダイオード:46個 |
ヒューズ定格 | 0.5A |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 8W |
外形寸法 | 幅410x高さ140x奥行330mm |
重量 | 7kg |
付属 | テストレコード スタイラスクリーナ |