Technics SU-C04
¥41,800(1981年頃)
解説
理論値歪=0を実現したテクニクス独自のリニアフィードバック回路を搭載したコンサイス・インテグレーテッドアンプ。
NFB理論の原点にたちかえり、より理想的にNFBを働かせるリニアフィードバック回路を採用しています。
この回路は、NFBループ内に無限大の増幅度を持たせる事ができるような、独立した帰還回路を形成しており、理論値歪=0、素子や電源の影響の無いピュアゲイン、逆起電力や線材の影響の無いスピーカー駆動という、理想的な動作を行うアンプを理論的に実現し、ニュークラスA方式のクォリティをさらに高めています。
これにより低歪・高音質化を実現しています。
テクニクス独自のシンクロバイアス回路によるニュークラスA方式を採用しており、音のにごりの原因であるスイッチング歪を解消しています。
スイッチング歪は、B級、AB級アンプで出力トランジスタがon/offするときに、信号のゼロクロスポイント付近で正負の波形が非対称となるために生じます。これを解消するため、シンクロバイアス回路では出力トランジスタに一定のバイアス電流をかけ、常に能動状態にすることでスイッチング歪を解消しています。
ニュークラスAでは音のにごりのもう一つの原因であるクロスオーバー歪の解消も行っています。
クロスオーバー歪は、アイドリング電流の過不足により正負の各波形が、時間軸の前後方向にズレを持つこと、そして立上がり、立下りの波形そのものが理想的な2乗特性にならず、正負の合成電圧特性が直線とならないことで生じる歪です。ニュークラスAでは、信号経路とバイアス電流が独立しているため出力トランジスタは常に適切な動作点をキープし、ほぼ理想の2乗特性を持つ高速応答ダイオードの働きとも相まって、クロスオーバー歪をも0にしています。
フォノイコライザは、初段FET差動増幅で、入力コンデンサを取り去ったICLローノイズイコライザとしています。
トーンコントロール回路は、メインアンプのNFループを利用しており、NFループ内に時定数素子を挿入することでトーンコントロール回路を形成しています。
また、トーンコントロールは平坦な特性を確保するセンターディフィートタイプとなっています。
過電流などからアンプやスピーカーを保護する電子式保護回路を搭載しています。
3系統のACアウトレットを搭載しています。
機種の定格
型式 | インテグレーテッドDCアンプ |
実効出力(20Hz~20kHz) | 30W+30W(8Ω、0.007%) |
全高調波歪率 | 0.007%(定格出力-3dB、20Hz~20kHz) |
出力帯域幅(THD 0.02%、8Ω) | 5Hz~50kHz |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.3dB |
SN比(IHF-A) | Phono MM:82dB Tuner、Tape、Aux:98dB |
残留雑音 | 0.5mV |
ダンピングファクター | 60(8Ω) |
入力感度/インピーダンス | Phono MM:2.5mV/47kΩ Tape、Tuner、Aux:150mV/22kΩ |
Phono最大許容入力(1kHz、RMS) | 130mV |
トーンコントロール | Bass:±10dB(50Hz) Treble:±10dB(20kHz) |
ラウドネスコントロール(VR-30dB) | +9dB(50Hz) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 78W |
外形寸法 | 幅297x高さ74x奥行230mm |
重量 | 4.5kg |