オーディオの足跡

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SE-M100の画像
 解説 

D.D.D.(デジタル・ダイレクトドライブ)方式を採用したデジタルストレートアンプ。

デジタル・ダイレクトドライブ方式では、DACの出力信号を必要な音量電圧まで大きくとり、アナログソースの増幅器の経路を全く介さずに増幅度1(0dB)のパワーアンプに直接接続しています。これにより、DAC出力電圧=スピーカー端子電圧となり、デジタルソースの持つ高S/N比を生かした再生を実現しています。
また、音量コントロールのための出力電圧可変手段として、DAC出力部に高耐圧I/V変換機を備えており、交換比率を可変することで出力電圧を可変させています。

電圧増幅度1(0dB)のアンプは、電圧増幅を行わないためノイズレベルが小さいことをはじめ、基本的に優れた伝送特性が実現できます。しかし、スピーカーを駆動する通常のパワーアンプをNFBで単純に増幅度1としてしまうと動作が不安定になります。この問題を開発するため、テクニクス独自の高音質技術であるclassAAとフローティング電源を搭載しており、0dBパワーアンプを実現しています。
ボリュームをミニマムにすると、100Wに対して-140dBという非常に少ないノイズレベルにより、スピーカーの持つ能力を発揮させることができます。

D/A変換部には新開発の4DACリニア20bitシステムを搭載しています。この方式では、Lch/Rchそれぞれの正信号と負信号用に、計4つのD/Aコンバーターを配置しており、各成分を個別に変換した後、リニアリティの良い部分だけを結合することで、原理的にゼロクロス歪を解消しています。また、高精度20bit8倍オーバーサンプリングデジタルフィルタの採用とあいまって、入力信号レベルに関係なく常に20bitの高分解能動作を実現し、微小信号の再現能力を大幅に向上しています。

パワーアンプ部は左右を独立させたツインモノラル構成とし、左右に分離させて配置しています。
さらに、プリアンプ部とデジタル部を厳重にシールドしたT型構成とすることで、パワーアンプ部の大電流からの電磁波に起因するL/R間の相互干渉を極小化しています。

電源部には左右完全独立構成の大型電源トランスを採用しています。
このトランスにはクラス1OFC線を使用しており、優れたレギュレーションを実現しています。また、1.6mm厚の高剛性シャーシ、トランス底面の5mm厚インシュレーターラバーの採用によって磁気輻射や機械振動を極小に抑えています。
また、電源部の電解コンデンサにはハイスピードEX電解コンデンサを採用しています。このコンデンサはバイオテクノロジーの応用により、電解液の純度も2桁以上も向上させており、電極に付着した不純物によるわずかな歪も解消しています。また、A1電極箔は低倍率エッチング、厚み均一化、新皮膜形成法を採用したほか、表面には電着塗装を行うなど、各種改善が施されています。

D.D.D.の音量調整はI/V変換回路の変換率を可変して行っているため、一般のボリュームに比べて流れる電流が大きくなっています。このため従来のボリュームをそのまま使用すると歪が大きくなるという問題点を持っています。
SE-M100では、新開発の低歪率エレメントを採用することで歪を10倍以上改善したボリューム素子を採用しています。

内部配線をはじめ、電源トランスの巻き線、各パーツのリード線に、高純度OCC線材を厳選使用しています。

2系統の光デジタル入力を搭載しています。また、同軸の入力/入出力端子を各1系統搭載しています。

SE-M100のアナログ入力の増幅度はプリメインアンプと同等となっています。

機種の定格
型式 デジタルストレートアンプ
実効出力 100W+100W(6Ω、20Hz~20kHz、0.007%)
90W+90W(8Ω、20Hz~20kHz、0.005%)
全高調波歪率 0.003%(20Hz~20kHz、定格出力 -3dB、8Ω)
周波数特性 2Hz~20kHz 0.3dB
SN比 112dB(EIAJ)
83dB(アナログ出力)
入力感度/インピーダンス 150mV/33kΩ(アナログ入力)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 235W
外形寸法 幅430x高さ158x奥行403mm
重量 15.5kg