Technics SE-A2000
※受注生産品
¥250,000(1993年頃)
解説
MOSクラスAA回路を採用したステレオパワーアンプ。
パワーMOS FETを用いたMOSクラスAA回路を搭載しています。
クラスAA回路では、電圧増幅と電流供給を別々のアンプで行っています。このため、電圧制御アンプが無負荷状態においてAクラス動作することで音質を改善し、さらにスピーカーのインピーダンス変動や逆起電力の影響を受けず、安定した動作が得られています。
SE-A2000に採用されたMOSクラスAA回路では、クラスAA方式をベースに、ドライブ能力に優れたバイポーラトランジスタと、入出力リニアリティに優れ小さな入力電流で出力電力をコントロールできるMOS
FETを採用し、完成度を高めています。
電源トランスにはR・コアトランスを採用しており、リーケージフラックスを低減するとともに優れたレギュレーションを獲得しています。
信号増幅部に電源ノイズを抑えるバーチャルバッテリーオペレーションを搭載しています。
この回路ではMOS FETを電源回路に組み込むことにより、基準電位発生回路をコンデンサーチャージに使用しています。これにより、音楽再生時には回路を遮断することで音声信号への電源ノイズ混入を防止し、バッテリー駆動と同等の動作能力を実現しています。
シャーシ構造には強固な3ボックス構造を採用しています。
また、内部レイアウトは左右チャンネルをそれぞれ独立したツインモノラル構造としており、両チャンネル間で発生するノイズやクロストークを大幅に改善しています。
内部回路には新開発の無誘導抵抗体を採用しています。
この抵抗は、自ら発するジュール熱によって忠実な信号再生が妨げられるのを防ぐため、基材である碍子のアルミナ含有量を上げています。これにより高域レスポンスを向上させています。
スピーカーの切換えには信頼性の高い金クラッド接点リレーを採用しています。
バランス入力端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオパワーアンプ |
定格出力 | 140W+140W(20Hz~20kHz、0.009%、4Ω) 120W+120W(20Hz~20kHz、0.007%、6Ω) 100W+100W(20Hz~20kHz、0.005%、8Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%(20Hz~20kHz、定格出力-3dB、8Ω) |
出力帯域幅 | 5Hz~80kHz(定格出力-3dB、0.05%、8Ω) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz +0 -0.2dB 0.8Hz~150kHz +0 -3dB |
S/N比 | 100dB(EIAJ) 115dB(IHF'66) |
ダンピングファクター | 100(8Ω) |
入力感度/インピーダンス | Normal/DC:1.0V/33kΩ Balance:1.2V/20kΩ |
メーター指示範囲 | 0.001W~300W(8Ω) |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 248W |
外形寸法 | 幅483x高さ186x奥行431mm |
重量 | 23kg |