Technics SA-R40
¥138,000(1981年発売)
解説
FM/AMチューナー、カセットデッキ、プリメインアンプを一体化したエアチェックアンプ。
カセットデッキ部の走行メカニズムには、キャプスタン駆動用に電子制御DCモーターを採用しており、走行制御システムにはICを導入しています。また、リール駆動用にはDCモーターを採用し、録音・再生時のテープテンションの変動を、電子回路によるリールモータ電流制御により最小限にコントロールしています。
録再ヘッドには、飽和磁束密度が高く、高域損失が少ないオールセンダストヘッドを採用しています。耐摩耗性に優れたセンダストヘッドに加えコア以外のテープ接触面にセンダストマスクを採用し、偏摩耗を防止しています。ヘッド形状はテープとの接触性に優れたハイパボリック形状とし、周波数特性の乱れを防いでいます。
消去ヘッドにはメタルテープの高保磁力に対応するため、消去効率の高い3ギャップフェライトヘッドを採用しています。
曲の頭出しが前後9曲まで行える自動選曲機構(TPS)を搭載しており、希望曲までの曲数をセットし、ff/rewの操作でアドレスカウンタに表示された数字分の曲間を検出し、希望曲の頭出しが可能です。
また、ナレーションカットや無録音部分を作りだせるレックミュートを搭載しています。
0dB未満と0dB以上を2色を分けてピーク値を表示するFLディスプレイを搭載しています。
120μsec.のアタックタイムと270msec.のリカバリータイムでピーク値を見やすく表示しています。
ドルビーNR回路や、録音/再生タイマースタンバイを搭載しています。
チューナー部にはクォーツシンセサイザを搭載しています。
フロントエンドにはハイQのバリキャップとジャンクションFETを採用し、IM妨害排除能力を向上させています。また、IF段には群遅延特性に優れたセラミックフィルタを搭載し、鋭い選択度特性を得ています。
クォーツシンセサイザチューナーにおいて局部発振周波数をロックする基準となるリファレンス周波数を、オーディオ帯域外の25kHzに設定することで、オーディオ帯域内への洩れを防ぎ、音質の改善を図っています。また、シンセサイザ部に、独自のスワローインカウンタ方式を採用しており、1/16、1/17の分周期をプリスケーラコントローラで制御する特殊な分周方式により、スプリアス妨害が放送帯域内に発生するのを抑えています。
FM/AM各7局プリセットが可能です。さらにオートスキャンチューニング機能を搭載しており、オートスキャンボタンをonにし、up/downキーをワンプッシュすれば、最近辺の放送局で同調します。また、オートスキャンをoffにすればマニュアルチューニングも可能です。
電界強度を指示する5LEDシグナルストレングスインジケーターを搭載しています。
最終受信局を次に電源onにするまで保持するラストワンメモリー機能を搭載しています。
アンプ部はA級動作のクオリティとB級動作の高効率を合わせ持つニュークラスAアンプを採用しています。
この方式は、シンクロバイアス回路により通常B級、AB級では高効率をえるために交互に完全休止する出力トランジスタに、休止サイクルに同期して一定バイアス電流を供給し、出力段を常に能動状態に保つことで休止に起因するスイッチング歪を解消しています。
また、信号経路とバイアス電流経路を独立させているため、出力段は常に適切な動作点をキープしており、高速応答ダイオードの働きと相まって、クロスオーバー歪を解消し、A級動作の音質を得ています。
さらに、NFB理論に新たな検討を加え、NFループ内に無限大のゲインを持つテクニクス独自のリニアフィードバック回路を搭載しており、可聴域内の歪特性を大幅に改善しています。
電磁輻射による高域特性の劣化を少なくする独自のコンセントレーテッドパワーブロックを採用しています。
フォノイコライザは入力コンデンサの影響を排除したICL回路で、ローノイズFETによる差動増幅回路とカレントミラー負荷による入力段、SEPP回路による出力段を有するICで構成されています。
また、不要低域をカットするサブソニックフィルターを搭載しています。
トーンコントロールは中点で素子が外れるセンターディフィートタイプを採用しています。
マイクミキシング機構を搭載しており、各ソースとのマイクミキシングが可能です。
リアパネルにエクスターナルユニット接続端子を搭載しており、フリケンシーイコライザなどの外部機器が接続可能です。
Rec out端子を搭載しています。
ミューティング兼用のリレー式保護回路を搭載しています。
別売りのリモートコントロールボックス(RP-9645)を使用することで、離れた場所からセットデッキの操作ができます。
機種の定格
型式 | エアチェックアンプ |
<アンプ部> | |
実効出力(両ch駆動、8Ω) | 40W+40W(20Hz~20kHz、0.009%) 40W+40W(1kHz、0.007%) |
全高調波歪率 | 0.007%(20Hz~20kHz -3dB) |
ダンピングファクタ(8Ω) | 30 |
負荷インピーダンス | 6Ω~16Ω |
入力感度/インピーダンス | Phono:2.5mV/47kΩ Aux/TV:150mV/68kΩ Mic:2.0mV/22kΩ |
Phono最大許容入力(1kHz、RMS) | 150mV |
SN比 | Phono:80dB Aux/TV:80dB Mic:70dB |
周波数特性 | Phono:20Hz~20kHz ±0.5dB Aux/TV:5Hz~45kHz +0 -3dB Mic:20Hz~25kHz +0 -3dB |
トーンコントロール | Bass:50Hz、±10dB Treble:20kHz、±10dB |
ラウドネスコントロール(Volume -30dB) | 50Hz:+9dB |
出力レベル | Rec out:150mV |
エクスターナルユニット接続端子 | in:150mV/27kΩ out:150mV/1kΩ |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76.1MHz~89.9MHz |
実用感度(IHF、75Ω) | 10.3dBf、0.9μV |
S/N50dB感度(75Ω) | mono:18.5dBf、2.3μV |
全高調波歪率 | mono:0.15% |
SN比 | mono:76dB |
周波数特性 | 20Hz~15kHz +0.5 -1.5dB |
実効選択度 | 60dB |
キャプチャーレシオ | 1.0dB |
イメージ妨害比(83MHz) | 55dB |
スプリアス妨害比(83MHz) | 80dB |
AM抑圧比 | 55dB |
ステレオセパレーション | 45dB |
リークキャリア(19kHz、38kHz) | -35dB |
アンテナ端子 | 75Ω(不平衡型) |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 522kHz~1,611kHz |
感度 | 25μV、250μV/m |
選択度 | 45dB |
イメージ妨害比(999kHz) | 55dB |
IF妨害比(999kHz) | 45dB |
<カセットデッキ部> | |
トラック型式 | 4トラック2chステレオ |
使用ヘッド | 録再:オールセンダストヘッド 消去:3ギャップフェライト |
使用モーター | キャプスタン用:電子制御DCモーター リール用:DCモーター |
録音バイアス方式 | ACバイアス方式 バイアス周波数:85kHz |
消去方式 | AC消去方式 |
テープ速度 | 4.8cm/sec. |
周波数特性 | normal:20Hz~18kHz CrO2、XAII:20Hz~19kHz metal:20Hz~20kHz |
SN比 | 58dB(XAII、ピークレベル) 68dB(Dolby NR in、5kHz以上) |
ワウ・フラッター | 0.045%(WRMS) |
<総合> | |
電源 | AC100V、50/60Hz |
消費電力 | 115W |
外形寸法 | 幅430x高さ119x奥行394mm |
重量 | 12.0kg |
別売 | ワイヤードリモコン RP-9645(¥6,000) |