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P-30の画像

ESOTERIC P-30 \350,000(1995年頃)

解説
DSRLL回路を搭載したCDトランスポート。

メカニズムにはティアック独自のVRDS(Vibration-Free RigidDisc-Clamping System)を搭載しています。
VRDSではディスクと全く同径の高質量ターンテーブルにディスクをクランプすることでディスク自身が持つ固有の振動やメカニズム系の不要振動を徹底排除しています。ディスク圧着面には極めて緩やかな傾斜を与えることでディスクの反りや歪を矯正しており、ターンテーブルの傾斜角と同角度に微調整されたピックアップによって常にピックアップの光軸中心でのピット読み取りを実現しています。
このVRDSメカニズムによってディスクピット面の相対光軸精度を大幅に向上させることにより、不要なサーボ電流を極少に抑えています。そして、ディスク読み取りエラーの大幅な減少を図ると共にクロック回路のタイミングエラー(ジッター)発生を防止しています。

P-30ではターンテーブルに高精度アルミダイキャストを使用し、これを肉厚補強リブ構造のブリッジで支えています。メカベースには熱膨張係数が低く、温度変化に強いなどの特長を持ち、ABS樹脂に比べて約2倍の比重を持つ特殊高分子素材を採用しています。
また、駆動モーターには高トルクを誇る高品位ブラシレス・ホールモーターを採用しており、優れた回転安定性と高耐久性を獲得しています。
さらに、このターンテーブル・メカニズム全体を銅メッキサブシャーシでフローティングすることで振動モードを低減しています。

ジッターを低減するためDSRLL(Digital Servo Ratio Locked Loop)回路を搭載しています。
DSRLL回路では入力された信号は一旦RAM内にプールされ、クォーツ精度で生成したクロックとのレシオ(比率)に完全同期する低速のクローズドループで処理されます。これにより音質上効果的なジッターフィルターとして機能します。
また、DSRLL回路に組み込まれたROMはRAMから得られるジッターレスデータの1サンプル区間を216(65,536)個のデータで満たすための高精度係数発生デバイスとして用いられ、最終段の演算器によって出力からリクエストされるクォーツ精度のクロックタイミングで演算して処理します。

P-30ではCDフォーマットの44.1kHz/16ビットPCMデータを48kHz/24ビットPCMデータにリサンプリング処理しています。
このリサンプリング処理仮定においてDSRLL回路を採用することで極めて効果的なジッターフィルターとして動作させ、デジタル出力に混入するメカニズムジッターを300Hz以上の可聴帯域で-40dB(1/100)に抑圧しています。また、300Hz以下の抑圧特性は1次傾斜(-20dB/decまたは-6dB/oct)のフィルター曲線になっており、3Hzから効果を発揮してます。

DSRLL回路でリサンプリングされた48kHz/24ビットのPCMデータを周波数精度±50ppmいない(レベルI)の高精度モードで出力しています。また、外部に接続するD/Aコンバーターの性能を最大限に引き出すため、XLRとRCA端子にはLAN用アイソレーション・トランスを採用しています。
特にST出力では、サンプリング周波数が48kHzになることで本来のST伝送周波数が1MHz〜50Mhzの範囲に入り、44.1kHz時より各段のお質向上を実現しています。

ST、XLR、RCA3系統のデジタル出力は、それぞれドライバー段を持っているため、メカニズムスイッチを介さずにICによって切替できます。

メカニカルジッターの電源部からの混入を防ぎDSRLLをさらに高精度化するため、メカニズム系とDSRLL系の電源トランスを完全分離しています。また、電源トランスはリアパネルの外部に配置し、メカニカル制御系へのフラックスの影響を防止しています。
電源部専用基板は回路上、構造上最適のレイアウトとすることでさらに高品位化を図っています。

シャーシは銅メッキメイン&サブシャーシによる2重構造を採用しています。内部はVRDSメカニズムを独立したサブシャーシで支持するとともに、DSRLL系やサーボ系を分離独立させたボックス構造となっています。
各ステージは電気的にシールドするために銅メッキが施されたらシャーシ用鋼板をダイアモンド構造で構築してます。さらに、フロントとサイドパネルに最厚部10mmのアルミ押出し材を用いてダンピングし、固有振動や共振を低減しています。

脚部には真鍮ブロックにステンレスのピンを組み合わせたハイブリッド構造のオリジナルピンポイントフットを採用しています。
このピンポイントフットはフロント2点とリア1点の3点支持とし、最適なメカニカルアースをとってみます。また、ピンポイントベースにはアルミ削り出し材を使用し、適度な損失を持たせています。これにより振動する支点と動点を明確にし、あいまいな共振を防止しています。
さらに、重心を3つのピンポイントを結ぶ三角形の中心にレイアウトしてます。

ST端子にはAT&T社製ODL 50II端子を採用しています。
その他のパーツにも厳選した高級オーディオパーツを採用しています。
 
 
リアパネル
VRDSメカニズム
内部コンストラクション
VRDSメカニズムの構造図 使用オーディオパーツ
DSRLLブロックダイアグラム ピンポイント・フット&ベース
 
機種の定格
型式 CDトランスポート
デジタル出力 RCA:0.5Vp-p/75Ω
XLR:4.5Vp-p/110Ω
Optical ST:-16〜-12.5dBm/875nm
ジッター除去比ベル -40dB
ジッター・フィルター・カットオフ周波数 3Hz
ジッター・フィルター次数 1次
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 12W
外形寸法 幅465×高さ157×奥行390mm(脚部含む)
重量 14.5kg