解説　

A-7030GSLをベースに新しい機構を搭載したテープデッキ。

ヘッド部は4ヘッド構成となっており、2トラックの消去-録音-再生ヘッドに加えて4トラック再生ヘッドを装備しており、4トラックテープの再生が可能です。

録再ヘッドには高硬度パーマロイヘッドを採用しています。
ヘッドコアの一つ一つの加工精度や組み立てにも細心の配慮がされており、ギャップ幅の精度も向上し、フラットな特性を得ています。
さらにヘッド形状にはハイパボリック形でヘッドタッチは安定したものとしています。

信号のピークを確認できるピークレベルメーターを搭載しています。
従来から録音レベルを監視する目的で使われているVUメーターは音量感を把握するために信号波形の平均値を指示するように設計されています。これに対してピークレベルメーターは信号波形のピーク値を指示するよう設計されており、生録音などで扱う信号に含まれるパルス成分の監視が可能です。
一般にアタックタイムが10msより短いパルス信号はクリップされて歪んだとしても聴感上の歪として感じにくいため、A-7030mkIVのピークレベルメーターではアタックタイムは10msを採用しています。また、リカバリータイムは750msと永くとっており、高速で応答する指針の動きを読み取りやすくしています。さらにダイナミックレンジ監視するため、対数アンプによってスケール指示範囲を-40dBから+5dBまで拡大しており、しかも0dB前後の目盛りの間隔を広げる事で読み取りやすくしています。

バイアス・イコライザー独立2段切換機構を搭載しており、ローノイズテープへの対応を図っています。

メカニズム部には3モーターメカニズムを採用しています。
また、アルミとステンレスを組合せた6ミリ厚のパネルシャーシ構成によってメカニズムをしっかりと支えています。

ワウフラッターを吸収する滑らかな回転のインピーダンスローラーや、スタート時のテープの暴れを吸収するテンションアームなどの組合せによって安定したテープ走行を得ています。

10号リールの装着が簡単に行える補正シートのいらない新リールクランパーを採用しています。

キューボタンを搭載しています。
早送りの状態でキューボタンを押すと音がモニターでき、曲の頭出しや編集したい位置を見つけられます。

マイク入力とライン入力のボリュームが独立した設計となっており、マイクとラインのミキシングが可能です。

同時モニターが可能です。

10号/7号リールを使いわけるテンション切換スイッチを採用しています。
別売りのリモートコントロールユニットを組み合わせる事で離れた場所からの操作が可能です。

別売りのタイマーコントロールアダプターとタイマーを組み合わせる事で、タイマー録音・再生が可能です。

機種の定格

型式	テープデッキ
トラック形式	2トラック・2チャンネル録再 4トラック・2チャンネル再生
ヘッド	4ヘッド
リール	26形(10号)、17形(7号)
テープ速度	38cm、19cm(±0.5%)
モーター	3モーター キャプスタン用:2速度ヒステリシスシンクロナスモーター リール用:エディカレントインダクションモーターx2
ワウ・フラッター	38cm:0.04% 19cm:0.06%
周波数特性	38cm:25Hz～30kHz(30Hz～26kHz ±3dB) 19cm:25Hz～28kHz(30Hz～24KhZ ±3dB)
SN比(3%THDレベル、WTD)	60dB
歪率(規準レベル)	1%
ステレオチャンネルセパレーション	50dB(1kHz)
早巻時間	120秒(550mテープ)
入力	Mic:0.25mV/-72dB(600Ω以上) Line:0.1V/50kΩ
出力	Line:0.775V/10kΩ以上 Headphone:8Ω
外形寸法	幅447x高さ536x奥行240mm
重量	28kg
別売	アクリルカバー TZ-611(￥3,500) マウンティングフレーム TZ-211(￥3,500) リモートコントロールユニット RC-701(￥9,500) タイマーコントロールアダプター RC-318(￥5,500)