TEAC A-2300S
¥99,800(1973年頃)
解説
高度なメカニズムを集約することで使い勝手の向上を図ったステレオテープデッキ。
ヘッドには耐摩耗性に優れた高硬度パーマロイヘッドを採用しています。
ヘッドは前面シールドがされており、隣接トラックからのクロストークや、トランス・モーターのリーケージフラックスの影響を防ぎ、セパレーションが改善されています。
消去ヘッドにはフェライトコアを採用し、巻線にはリッツ線を採用しています。
さらに、余裕のあるプッシュプルタイプの発振回路により、深いバイアスのローノイズテープにも安定した動作を得ています。
録音ヘッドと再生ヘッドを別にした3ヘッド方式により、テープからの再生音と同時にモニターが可能です。また、レベルメーターもモニタースイッチと連動して入力レベルと再生レベルを指示します。
再生プリアンプのイコライザー段には、NPN-PNP-NPNトランジスタの組合せによる3段直結回路を採用しています。
この回路方式をラインアンプ(2段)にも採用し、高域から低域にわたって安定したダイナミックレンジを得ています。
操作機構には全てマイクロスイッチを採用し、操作性を向上させています。
また、クイック操作のポーズ機構により、素早いカットが可能です。
後追い録音が可能で、再生中にRecボタンを押しながらもう一度Playボタンを押すと録音が開始されます。
タイマー録音/再生機構を搭載しており、別売りのタイマーコントロールアダプターとタイマーを組合わせることで、タイマー録再が可能です。
マイク入力とライン入力のボリュームがそれぞれ独立しており、ミキシング録音が可能です。
バイアス、イコライザー独立切換を採用しており、テープの性能をより発揮させることが可能です。
左右独立したエキスパンデッドスケールのレベルメーターを採用しています。
クイックロック・リールクランパーを採用しており、シャフトを右に回すだけでセットができます。
また、リール台についているネジをプラスドライバーで回せば高さ調整も可能となっています。
パネルシャーシはステンレスとアルミの組合せとなっており、側面はダイキャスト強化フレームとなっています。
テープ保護のため、ブレーキ機構はアルミダイキャストと特殊フェルトで構成されており、安定したブレーキが可能となっています。
別売りでリモートコントローラーがありました。
※1973年と1974年以降で掲載されている周波数特性に違いがありました。
測定方法の変更か内部仕様の変更かは分かりませんので併記させて頂きます。
機種の定格
型式 | テープデッキ |
トラック形式 | 4トラック・2チャンネル・ステレオ方式 |
ヘッド | 3ヘッド:録音、再生、消去 |
リール | 17形(7号)、12形(5号) |
テープ速度 | 19cm、9.5cm(±0.5%) |
モーター | キャプスタン用:2速度ヒステリシスシンクロナスモーターx1 リール用:エディカレント・インダクションモーターx2 |
ワウフラッター | 19cm:0.08%(WRMS) 9.5cm:0.10%(WRMS) |
周波数特性 | ※1973年カタログ記載 19cm:30Hz~22kHz(40Hz~18kHz ±3dB) 9.5cm:30Hz~16kHz(40Hz~12kHz ±3dB) ※1974年以降カタログ記載 19cm:30Hz~28kHz(40Hz~24kHz ±3dB) 9.5cm:30Hz~20kHz(40Hz~16kHz ±3dB) |
SN比 | 55dB |
歪率 | 1%(規準レベル) |
クロストーク | 60dB(1kHz) |
ステレオセパレーション | 50dB(1kHz) |
早巻時間 | 140秒(550mテープ) |
入力 | マイク:0.25mV/600Ω~10kΩ適合(-72dB) ライン:0.1V/入力インピーダンス100kΩ |
出力 | ライン:0.3V/入力インピーダンス10kΩ以上 ヘッドホン:8Ω |
電源 | 100V AC 50Hz/60Hz |
消費電力 | 95W |
外形寸法 | 幅440x高さ392x奥行210mm |
重量 | 18kg |
別売 | アクリルカバー TZ-250(¥3,500) リモートコントロールユニット RC-120(¥10,500) タイマーコントロールアダプター RC-320(¥8,000) ポータブルケース CS-420(¥11,500) |