オーディオの足跡

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System215の画像
 解説 

STUDIOシリーズのトップモデルにあたる大型スピーカーシステム。

全帯域用として新開発の38cm同軸2ウェイユニットを搭載しています。
このユニットの磁気回路にはツイン・マグネット・システムを採用しており、HFホーン(ウェーブガイド)をマグネットのポールピースとすることでLF磁気回路を構成する必要がなくなり、HF・LFのそれぞれに最適な磁束を得ています。また、この磁気回路には同位性サマリウム・フェライト・マグネットを採用しており、オリエンテーションを完全に施したマグネットによって強力で安定した磁界を実現しています。
さらに、磁気回路のポールピースを銅板で覆っており安定均一な磁界を作り出しています。これによりコイルのインダクタンスを減少させ、HFのエネルギーを確実にコントロールしています。また、コイル発熱による影響や高調波歪、混変調歪を低減させています。また、マグネティック・ギャップ・クーラントによってコイル周辺の熱伝導率を向上させており、ハイパワー駆動を可能にしています。
ユニットのフレームに新開発のダイキャストフレームを採用しており、振動板背面振動によるシャーシとの間の反射を低減しています。

ウーファー部の振動板には新しく開発した空気乾熱によるペーパーコーンを採用しており、従来の熱処理による乾燥方法よりも優れた振動板特性を実現しています。また、ボイスコイル付近に特殊な薬剤を含浸させることにより低域の放射特性を改善するとともに中域の拡散特性を向上しています。
エッジ部には新素材であるニトリルラバーを採用しています。
ウーファー用のボイスコイル芯材にはアルミニウムを採用しており、ハイパワー駆動時のコイル発熱を素早く放熱することで安定した性能を確保しています。また、ヒートバリアによってコイル部からの発熱を遮断し、熱の影響から振動板やサスペンションを保護しています。
ボイスコイルからのリードにはブレードタイプを採用しており、優れた導電性を得るとともにコイル接合部とのストレスや材料疲労を少なく抑えています。
エッジの外周にはディフラクションリングを装備しており、高域の波動伝播に対し、低域の回折や反射波の影響を最小限に抑えています。

トゥイーター部の振動板にはスカート部まで一体成型されたジュラルミンダイアフラムを採用しており、一体成型によってボイスコイルを振動方向軸上の正しい位置に保っています。また、エッジには新素材ニトリルラバーを精密成型したものを使用しており、連続的な振動によるストレスや材料寿命を考慮した設計となっています。このエッジ部はいかなる共振も25kHz以上になるように狭い幅で使用しています。
ボイスコイル部には低質量・低インダクタンスのアルミ線を使用しています。このアルミ線には銅コーティングが施されており、端末ハンダ処理を容易にするとともにアルミニウムを参加から保護し、信頼性を高めています。また、線材の断面を角形とすることで丸型断面の線材に比べて線間を密にでき、低インダクタンス化を実現しています。
コイルを巻きつける芯材にはグラスファイバーを採用しており、湿度の影響を抑えるとともに安定した温度特性を確保しています。さらにポリアミドによってコイル線材に絶縁処理が施されており、ハイパワー駆動時の高温にも耐える設計となっています。
コイル端末からの引出線にはベリリウム銅線材を使用しており、優れた導電率と高い柔軟性によって安定した伝送特性と信頼性を確保しています。
トゥイーター振動板背面には空間が設けられており、HF部の駆動システムの信号に対する正確な追従性を実現しています。
ホーン部には新開発のウェーブガイドを使用しており、正確な球面波を作り出すことで優れた高域位相特性を確保しています。
このトゥイーター部にはセルフ・センタリング・HFアッセンブリーを使用しており、完全に調整されたアッセンブリーを容易に交換出来るよう設計されています。これにより初期性能の確実な回復を可能にしています。


低域用として38cmコーン型ウーファーを搭載しています。


クロスオーバーネットワークには空芯コイルや高品質フィルムコンデンサーなどのパーツを厳選使用しています。また、配線にはハードワイヤリング方式を採用しており、プリント基板を使用せずにVan Den Hul社製の最高級ケーブルであるMCSC線材でダイレクトに結線しています。
ネットワーク部の切替により同軸2ウェイユニットのウーファー部をスコーカーとして使用することができ、3ウェイシステムとして使用することができます。


ユニットレイアウトは左右チャンネル対称設計がされています。
エンクロージャー内部はそれぞれのユニット専用に完全に独立したチェンバーを設けたツイン・チェンバー方式を採用しており、ユニット間の相互干渉を排除しています。
エンクロージャー材には高密度パーチクルボードに比べて1.8倍の密度を持つMDF(メダイト)を使用しています。前面と後面には36mm厚のMDF材を使用し、上下左右の4面には適度な内部損失を持つ特殊ダンプ材を2層にラミネートした20.6mm厚MDF材を使用しており、エンクロージャー自体の不要共振を徹底的に追放しています。また、エンクロージャー内部はブレーシングとよばれる堅牢な組合せ支柱が特殊ダンプ材を介してユニットとエンクロージャーを支えており、低域の余分なエネルギーを吸収することで音離れの良い低域と密度が高くパースペクティブ(奥行感)に優れた中高域を実現しています。
バスレフポートにはツイン・ダクテッド・ポートを採用しており、バスレフ・チューニングポイントにおける不規則で高速の空気流を最小にし、クリアな低域再生を可能にしています。
エンクロージャー全体の稜線部分には円曲加工が施されており、エンクロージャーのコーナーやエッジ部で発生する回折作用による高域の放射エネルギー損失を最小に抑えています。


スピーカー端子には金メッキが施されたバナナプラグ対応のネジ止め式端子を採用しています。


通常の接続方法に加え、バイワイヤリングやバイアンプ駆動に対応したターミナルパネルを搭載しています。
特にSystem215ではこのターミナルパネルをフロントパネルに設置することで調整を容易にしています。


別売りオプションとして専用のスピーカースタンドがありました。
System215との音響特性を考慮し、材質には215のエンクロージャーと同じMDFを採用しています。また、デザインの一体化を図ると共に縦置きと水平置きの両方に対応しています。
ベースプレートに6個のキャスターが取付可能となっており、移動やセッティングも行えます。
このスタンドはSystem15にも使用が可能でした。

機種の定格
方式 3ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・フロア型
使用ユニット 低域用:38cmコーン型
全帯域用:38cm同軸型
周波数特性 35Hz~25kHz ±3dB
出力音圧レベル 101dB/W/m(1kHz)
最大許容入力 750W
連続許容入力 500W
入力インピーダンス 4Ω~8Ω
高調波歪率 0.5%以下
クロスオーバー周波数 250Hz、1.5kHz
内容積 300リットル(2室合計)
外形寸法 幅906x高さ786x奥行555mm
重量 85kg
別売:スピーカースタンド SST-215(1台、¥80,000)
外形寸法 幅720x高さ320x奥行555mm(キャスター部含まず)
トッププレート:幅580x奥行400mm