STAX DMA-X2
¥850,000(1990年発売)
解説
入力された電気信号を何も付け加えずに何も失わずに拡大するアンプを目指して開発されたモノラルパワーアンプ。
DMA-X2の回路は2組のA級増幅回路とダイナミック・プッシュプル電源で構成されており、出力端子でBTL接続され、ひとつのアンプを構成しています。また、ドライバー段も2組搭載しており、それぞれが2組ある出力段をドライブしています。
出力段にはAクラスの音の良さとABクラスの低消費電力を併せ持った新時代のAクラスアンプというコンセプトからスイング電源を用いたAクラスアンプを採用しています。
また、NON-NFB回路を採用することで、スピーカーで発生した逆起電力がNFB回路を通って入力部に戻され入力波形と異なる出力波形となるのを防いでいます。
ドライバー段にはクラスA増幅と差動入力回路を採用しています。
ローノイズ・デュアルFETによる差動増幅回路を採用しオーソドックスにNFBを掛けることで、広帯域にわたりフラットな周波数特性を獲得しています。また、電源コードを伝わって入ってくる外部ノイズを抑えるため、ドライバーステージは対アース増幅を徹底させています。
電源部には1,500VAの超大型カットコア電源トランスと、33,000μFx4と68,000μFx4の合計404,000μFという超大容量電解コンデンサーを採用しています。さらに、ショットキー・バリア・ダイオードを採用することで電源部でのノイズ発生を低減しています。
部品のレイアウトや回路の引き回しを考慮することで電源部から周辺回路への悪影響を防いでいます。
保護回路としてPCリミッター回路を搭載しており、スピーカー端子の+と−を誤ってショートした場合にもアンプの出力段を破壊から保護しています。また、異常に高い電圧が入力された場合にそれを押さえ込む過大入力保護回路や、出力段が異常に高温になった時に熱暴走しないように電源を落とす温度保護回路を搭載しています。
さらにスピーカー保護回路を搭載しており、入力に前段(プリアンプなど)から直流や異常なパルスが入力された場合に、またアンプ自身が破損して出力端子に±5V以上の異常な直流が発生した場合にアンプの電源を自動的にOFFにし、スピーカーの破損を未然に防いでいます。
バランスとアンバランスの2系統の入力端子を搭載しています。
アンバランス端子にはサブソニックカット(AC)端子もあります。
ゲイン切換スイッチを搭載しており、30dB/36dBの2段階が選択できます。
スピーカー端子にはスタックスオリジナルのGBP-2を採用しています。
インプットON/OFF端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | モノラルパワーアンプ |
回路方式 | 完全バランス入力、バランス出力 電圧増幅段:コンプリメンタリーFET差動入力全段対アース増幅 電力増幅段:NON-NFBダイナミック電源クラスA増幅 |
最大出力 | 600W(8Ω) |
周波数特性 | DC入力時:0.8Hz~220kHz(10W出力時) AC入力時:15Hz~220kHz(10W出力時) |
全高調波歪率 | 0.1%以下(20Hz~20kHz、0.03W~600W、8Ω) |
S/N比 | 116dB以上(IHF-A Network使用) |
残留レベル | 100μV以下(IHF-A Network使用) |
入力レベル | Lo:2V Hi:1V |
入力インピーダンス | Balance:64kΩ RCA:32kΩ |
増幅度 | Lo:30dB Hi:36dB |
負荷インピーダンス | 2Ω以上(音楽再生時) 6Ω以上(テスト信号入力時) |
ダンピングファクター | 100以上(10Hz~20kHz) |
出力電圧ドリフト | ±10mV以下 |
スピーカー保護動作電圧 | ±4V(DC) |
その他 | 入力ON/OFFスイッチ 感度(Hi/Lo)切換スイッチ Balance/RCA入力切換スイッチ Subsonic cut(AC)入力付き |
消費電力 | 390W(無信号時) |
外形寸法 | 幅430x高さ227x奥行546mm |
重量 | 47kg |