オーディオの足跡

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ST-J60の画像
 解説 

クリスタルロックを採用したデジタルシンセサイザーチューナー。

クリスタルロック・デジタルシンセサイザー方式は、水晶精度で同調を制御するもので、正確な同調精度と安定度を持ち、チューナー各ブロックの性能を発揮しています。
また受信周波数のデジタル表示は、制御された局部発振周波数をカウントダウンしたものに基き、表示命令が出されるため指示誤差は基本的にありません。このため周波数の指示誤差による同調ズレと歪の増加も防いでいます。

FM/AMランダム8局プリセットを搭載しており、一旦同調すれば、メモリースイッチと任意のボタンを同時に押すだけでプリセットが可能です。また、メモリー回路は電源を切ってもコンセントを抜いても記憶が消えない永久メモリーを採用しています。

両方向オートチューニングにより、ボタンにワンタッチするだけで隣の局を自動的に選局できます。
ボタンを押し続けると局を受信しても一瞬停止するだけで動き続けます。

マニュアル式のステップチューニングが可能で、ボタンをワンタッチすると100kHz同調点が動きます。
ボタンを押し続けると、デジタル表示されている周波数がはっきり読み取れるほどのスピードで動きます。

ラストステーションメモリーを搭載しており、電源を切る時に最後まで聴いた曲をメモリーすることが可能です。

フロントエンド部にはバリコンの4連同調に相当するバリキャップを用いており、スプリアス妨害などの特性を改善しています。
共振栄度=Qが低いというバリキャップの欠点を改善するため、ソニーの半導体研究部門の技術を投入し、従来のバリキャップとは比較にならないQを得ることに成功しています。
また、相互混変調妨害を低減するため、デュアルゲートMOS-FETを採用しており、電磁誘導を極力排したワイヤリングと厳選したパーツの使用により混変調妨害を低減しています。

IF部にはソニー独自の半導体工学技術により開発されたユニフェイズIFフィルターを採用しており、群遅延特性を大幅に改善し、優れた歪率と選択度を得ています。

MPX部にはPLL-ICを採用しています。

5ステップLEDシグナルインジケーターや、ワンタッチでマルチパスがチェックできるマルチパスインジケーターを搭載しています。

周囲の明るさに応じてデジタル表示部の明るさが変るオートディマーを採用しています。

50%変調に相当するレベルで400Hzのテストトーンを発生し、エアチェックのレベル調整を便利にするCAL-TONEスイッチを搭載しています。

選局時の局間ノイズをカットするミューティングスイッチを搭載しています。

機種の定格
型式 クリスタルロック・デジタル・シンセサイザーチューナー
回路方式 FM/AMスーパーヘテロダイン方式
<FMチューナー部>
受信周波数 76.0MHz~90.0MHz
アンテナ端子 300Ω平衡型
75Ω不平衡型(同軸ケーブルコネクター)
実用感度 1.8μV(IHF)/10.3dBf(新IHF)
SN比50dB感度 mono:3.5μV(IHF)/16.1dBf(新IHF)
stereo:40μV(IHF)/37.3dBf(新IHF)
SN比 mono:77dB
stereo:72dB
高調波歪率
mono: 0.06%(100Hz)
0.06%(1kHz)
0.06%(10kHz)
stereo: 0.08%(100Hz)
0.08%(1kHz)
0.15%(10kHz)
ステレオセパレーション 48dB(100Hz)
50dB(1kHz)
45dB(10kHz)
周波数特性 30Hz~15kHz +0.2 -0.5dB
実効選択度 85dB(400kHz)
45dB(300kHz)
キャプチャーレシオ 1.0dB
AM抑圧比 60dB
イメージ妨害比 90dB
IF妨害比 100dB
スプリアス妨害比 100dB
出力レベル/インピーダンス 750mV/4kΩ
<AMチューナー部>
受信周波数 531kHz~1611kHz
アンテナ フェライトバーアンテナ、外部アンテナ端子付
感度 250μV/m(バーアンテナ使用時、1000kHz)
SN比 50dB(50mV/m)
高調波歪率 0.5%(50mV/m、400Hz)
選択度 35dB(9kHz)
40dB(10kHz)
イメージ妨害比 35dB(1000kHz)
<総合>
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 12W
外形寸法 幅430x高さ80x奥行325mm
重量 約4.1kg
付属 接続コード
FMフィーダーアンテナ
F型同軸プラグ
局名表示ラベル一式