SONY SS-RX7
¥59,000(1台、1982年発売)
解説
POM(ポリオキシメチレン)ウィスカー振動板を採用したブックシェルフ型スピーカーシステム。
低域には30cmコーン型ウーファーを搭載しています。
この振動板は、宇宙船の振動解析手法NASTRANによる解析とヒアリングによって割り出したコーン紙形状を採用し、コーン紙に比べ暖かみのある低音が得られる素材を用いる一方、応答性に優れたウレタンエッジや高リニアリティダンパーを採用することで、安定した振動板動作を可能にしています。
磁気回路には磁束分布を前後対称にしたT型ポールピース、コーン紙の背圧を減少させる穴開きヨークなどの手法を導入し、低歪化を図っています。
フレームには堅牢なアルミダイキャストフレームを採用しています。
中域にはPOMウィスカーを用いた10cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
POMウィスカーは太さ1~3ミクロン、最長150ミクロン前後の針状の単結晶が約10~数100本ウニのように中心から四方八方へ突きでた形状をしており、重さは炭素繊維より軽く(比重1.49、炭素繊維は約1.7)、樹脂にきわめて均一に分散し、ぬれ性、密着性も良好です。さらに、高い弾性率をもち、アルミやチタンの約1.8倍にあたる秒速9000mという音速をもつ音響材料が得られます。このPOMウィスカーとポリプロピレンを主体としたポリオレフィン系樹脂を複合化したことにより、大きな内部損失に加え、高剛性、軽質量な振動板を実現しています。
また、磁気回路にはストロンチウムフェライトマグネット、フレームにはアルミダイキャストを使用しています。
高域には2.5cmソフトドーム型トゥイーターを搭載しています。
振動板に柔軟な特殊フィルムを用い、エッジとドームを一体成形することで低歪化を図っています。
このユニットにもミッドレンジ同様ストロンチウムフェライトマグネット、アルミダイキャストフレームを使用しています。
ネットワーク部には、プラスチックケース入り電解コンデンサー、コイル及び内部配線材に無酸素銅線を採用するなど、低歪、低損失化を図っています。
エンクロージャーは全ての板材に高密度パーティクルボードを採用することで、不要な振動を低減しています。
また、バッフル板及び裏板の内面外周部に細溝を施し、胴板を含めた各板の振動周波数をコントロールすることで、耳当りの良い鳴りを得ています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:30cmコーン型 中域用:10cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
再生周波数帯域 | 30Hz~25000Hz |
出力音圧レベル | 93dB/W/m |
インピーダンス | 6Ω |
瞬間最大入力 | 200W |
定格最大入力 | 100W |
クロスオーバー周波数 | 900Hz、4kHz |
内容積 | 55L |
外形寸法 | 幅370x高さ660x奥行350mm |
重量 | 19.5kg |
付属 | スピーカーコード(3m) |