SONY SS-RX3
¥33,000(1台、1983年頃)
解説
POMウィスカーを振動板に採用したRXシリーズのスピーカーシステム。
低域には20cmコーン型ウーファーを搭載しています。
SS-RX7に搭載された30cmウーファーと同様に、NASTRANによる解析とヒアリングによって割り出したコーン紙形状を採用しており、豊かで張りのある低音が得られる振動板素材を使用し、ウレタンエッジと高リニアリティダンパーで支持しています。
また、磁気回路は大型マグネットと穴開きヨークの採用などにより、低歪に設計されています。
中域には、振動板にPOMウィスカーとポリプロピレンを主体としたポリオレフィン系樹脂を複合一体化した、7cmコーン型ミッドレンジを搭載しています。
POM(ポリオキシメチレン)ウィスカーは工業技術院の繊維高分子材料研究所との共同研究で量産・実用に成功した素材で、太さ1~3ミクロン、最長150ミクロン前後の針状の単結晶が数十~数百本ウニのように中心から四方八方へ突き出た形状をしています。重さは炭素繊維より軽く(比重1.49、炭素繊維は約1.7)、樹脂に極めて均一に分散し、ぬれ性や密着性も良好です。さらに、高い弾性率を持ち、アルミやチタンの約1.8倍にあたる秒速9000mという音速を持つなどの特長を持っています。この素材を振動板に用いることで諸特性を改善しています。
高域には2.5cmソフトドーム型トゥイーターを搭載しています。
振動板に柔軟な特殊フィルムを用い、エッジとドームを一体成形することで低歪化を図っています。
エンクロージャーはバスレフ構造を採用しています。
機種の定格
方式 | 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域用:20cmコーン型 中域用:7cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型 |
再生周波数帯域 | 38Hz~25000Hz |
出力音圧レベル | 91dB/W/m |
インピーダンス | 6Ω |
瞬間最大入力 | 150W |
定格最大入力 | 75W |
クロスオーバー周波数 | 1.2kHz、7kHz |
外形寸法 | 幅285x高さ515x奥行280mm |
重量 | 10.5kg |
付属 | スピーカーコード |