SONY TCD-D10
¥250,000(1988年頃)
解説
DATデッキのポータブルタイプとして発表されたデジタルオーディオ・テープコーダー“デジタル・デンスケ”。
クオリティを保ちながら、B5版サイズまで小型化を図っています。
DTC-1000ESと全く同じ4D.D.モーターメカニズムを採用しており、過酷な使用状況下でも、高精度を長期にわたって維持し、高い信頼性と耐久性を獲得しています。
マイクアンプにローノイズFETを使用することで高いSN比を獲得しています。
さらに、ダイナミックレンジを広げるため、マイクアンプ初段は±15Vまで昇圧した電源が使用されています。
外見は2連に見えながらも、回路上はライン入力とマイク入力をそれぞれ独立させた4連独立ボリュームを採用してます。
また、SN比の劣化を極力抑えたNF型アッテネーターを採用しています。
プリエンファシスをかけることで録音特性を改善しています。
A/Dコンバーターにはプロ用PCM機器で実績ある16ビット二重積分型を採用しています。
スタートIDを99ポイントまでオート(録音開始時に必ず)とマニュアル(録音中任意の箇所に)書き込みできます。また、再生時にスキャンサーチで各スタートIDから約10秒間ずつ録音確認ができます。
内蔵クロックからレコーデッドタイム=録音時刻をリアルタイムで記録することができます。記録されるのは録音した年/月/日/曜日/時/分/秒で、再生時にディスプレイに呼び出せます。
この機能はTCD-D10での自己録再のみで利用できます。
はじめ約5秒間は通常再生し、あと早送りする2スピードキュー&レビュー機能を搭載しています。
レコーデッドタイムのほか、録音経過時間、テープ残量時間、バッテリー残量警告表示も可能な液晶ディスプレイを搭載しています。
不意の大入力による歪を防止するリミッター機能を搭載しています。
また、大音量ソースによるマイクアンプの飽和を防ぐ20dBのアッテネーターを搭載しています。
録音内容が確認できるモノラル・モニタースピーカーを搭載しています。
激しい動きの中でも録音および再生状態を保持するホールドスイッチを搭載しています。
主用スイッチを上面パネルに配置することで、インドアでの使いやすさも考慮されています。
プロ機のノウハウを生かした、指向角度可変MS方式ワンポイントマイクが付属しています。
マイクグリップ兼用のワイヤードリモコンが付属しています。
キャリングケース/ベルトが付属しています。
家庭用電源のないところでも、付属の充電式電池で連続約2時間の録音が可能です。
この充電式電池のフルチャージは、付属ACアダプターとバッテリーチャージアダプタを使用して、1.5時間で行います。
別売りアクセサリーにより、カーバッテリーでの駆動も可能です。
機種の定格
型式 | DATレコーダー |
チャンネル数 | 2チャンネルステレオ |
サンプリング周波数 | 48kHz(録音/再生) 44.1kHz(再生のみ) 32kHz(Digital inのみ録音/再生) |
量子化ビット数 | 16ビット直線 |
エラー訂正 | ダブルエンコーデッドリードソロモンコード |
エンファシス | プリエンファシス(録音時、アナログ入力に対して)offに固定 ディエンファシス(再生時)on/off自動切換 |
変調方式 | 8-10変換 |
周波数特性 | 20Hz~22kHz ±1dB |
ダイナミックレンジ | 90dB以上(録音時、エンファシスoff) |
SN比 | 85dB以上(録音時、エンファシスoff) |
全高調波歪率 | 0.008%以下 |
ワウ・フラッター | 測定限界(±0.001% W.Peak)以下 |
インターフェース | マイク入力:標準ジャック アナログLine in/out:ピンジャック |
電源 | 付属充電式電池:DC6V 付属ACアダプター使用:AC100V、50Hz/60Hz |
電池持続時間 | 2時間(連続録音、フルチャージ) |
消費電力 | 8.5W |
外形寸法 | 幅253x高さ55x奥行191mm(最大突起部含む) |
重量 | 約1.85kg |
付属 | ワンポイント・ステレオマイクロホン ECM-959DT リモートコマンダー RMT-D10 ACアダプター ACP-D10 充電式電池 NP-22H バッテリーチャージアダプター BC-D10 キャリングケース/ベルト DATテープ DT-60 接続コードx2 |