解説　

長いデッキ作りで得たノウハウと最新技術を投入したカセットデッキ。

ソニーのD.D.プレイヤーシステムに採用された、クリスタルロック・マグネディスクサーボ方式を採用しており、電源電圧や周波数、周囲温度、時間経過などの影響を受けず、テープの負荷変動にも強く、誤差の少ない回転性能を実現しています。

モーターにはソニーのD.D.プレイヤーに使用されているリニアBSL(ブラシアンドスロットレス)モーターをデッキ用に設計したBSLグリーンモーターを採用しています。このモーターでは、コギング(トルクムラ)の原因となるスロット、そしてブラシも取り除いたシンプルな構造を採用しており、静かで滑らかな回転を実現しています。
TC-K80では、特にキャプスタンのダイレクト・ドライブに専用の大型BSLグリーンモーターを採用した2モーター構成となっています。

テープ走行時に発生する変調ノイズを抑えるスクレープフィルターを搭載しています。

ヘッドにはF&Fヘッドにセンダスト合金の良さを加えたS&Fヘッドを採用しています。
センダスト合金(Si-Al-Fe)は最大磁束密度が大きいため、録音時のリニアリティが伸び広ダイナミックレンジが期待できます。しかし、フェライト材より高い周波数でのコア損失が大きいという短所も持っています。
この特長を考慮し、S&FヘッドではHigh-μフェライトコアにセンダスト合金チップを複合させた特殊3段構造を採用しています。ギャップずれが起こりやすくなるコア材の積層構造を避け、独自の加工技術によるソリッド構造を採用するとともに、高硬度石英被膜を特殊蒸着する新開発のギャップ形成法を採用することで、高いギャップ精度と優れた周波数特性を得ています。
さらに、センダスト合金に第4元素を添加し、耐蝕性や耐摩耗性を高めています。

ピークレベル変化とピークホールドが同時に確認できる、ダブルインジケーション方式の多機能液晶ピークプログラムメーターを搭載しています。

マイクロプロセッサーでメカニズムを論理的に動作させるロジカルコントロールシステムを採用しており、正確さと高信頼性を得ています。

聴きたい曲の頭出しが行えるオートマチック・ミュージック・センサー(AMS)を搭載しています。

アンプ回路とドルビー回路を集積させたドルビーNR ICを採用することで、構成部品や配線の引き回しを少なくし、信頼性と音質の向上を図っています。

バイアスとイコライザーが独立した3段切替えテープセレクターを搭載しています。

オートスペース機能つきRec Muteを搭載しています。

メモリープレイ機能やタイマー機能を搭載しています。

後追い録音が可能です。

MPXフィルターを搭載しています。

ラインとマイクのミキシングが可能です。
また、マスターボリュームを搭載しています。

ラインアウトとヘッドホンにそれぞれ専用のボリュームを搭載しています。

別売りのワイヤードリモコンが接続でき、離れた場所から操作ができます。

機種の定格

型式	カセットデッキ
ヘッド	消去:1 録再:1
モーター	BSLグリーンモーターx2
SN比	60dB(ドルビーoff、ピークレベル、デュアドカセット)
周波数特性	30Hz～18kHz ±3dB(デュアドカセット)
ワウ・フラッター	0.03%wrms
歪率	0.9%(デュアドカセット)
消費電力	27W
外形寸法	幅430x高さ160x奥行295mm
重量	8.3kg
別売	ワイヤードリモコン RM-50(￥5,000)