SONY TC-K333ESX
¥85,000(1987年発売)
解説
TC-K555ESXの設計思想を継承したESシリーズのカセットデッキ。
理想的なウェイトバランスと剛体構造を追及するため、ミッドシップドライブ・システムを採用しています。
ミッドシップドライブ・システムでは、デッキの総重量に占める割合の大きいメカデッキと電源部をシャーシ中央に配置し、操作コントロール系とオーディオ回路を左右両サイドに分離した構成となっています。これにより、4個の脚部にほぼ均等な重量がかかるウェイトバランスを実現しています。
さらに、シャーシ内部をメカデッキと電源部を取り付けたU字型インナーシャーシでほぼ3等分し、トータルな剛性を向上するとともに各ブロック間の相互干渉や共振を抑えています。
オーディオ回路は、録音アンプと再生アンプを独立した基板にまとめ、十分に距離をもたせて上下2段に配置するkとおで、両アンプ間の干渉を抑えています。また、全段L/RツインモノDCアンプ構成とすることでチャンネル間の干渉も抑えています。
さらに、オーディオ信号系、コントロール信号系と電源系脳の2つのブロックの電気的なアイソレーションを徹底しています。
ヘッドには、コア材にアモルファス磁性合金を採用し、ヘッド巻線にLC-OFCを採用したLC-OFC巻線レーザーアモルファスヘッドを採用しています。
さらに、独立懸架3ヘッド方式を採用しており、録音、再生用それぞれのヘッドに正確なアジマス精度が得られるとともに均一なヘッドタッチを実現しています。
ヘッドを中心に配した2組のキャプスタンとピンチローラーでテープを挟み込むクローズドループ・デュアルキャプスタン方式を採用しています。これにより、ワウ・フラッター特性の向上やモジュレーションノイズの低減、ヘッドタッチの安定化などのメリットを得ています。
また、キャプスタン駆動用モーターには3相リニアトルクBSLモーターによるダイレクトドライブを採用しており、さらにクォーツロック・サーボにより、優れた走行特性を実現しています。
録音バイアス値を±20%の範囲で微調整できるバイアスキャリブレーション機能や、録音レベルキャリブレーションを搭載しています。
カウンター0.00に加え、メモリーボタンを押した時点を動作点とするメモリーストップ/プレイが可能です。
このメモリー点はリセットボタンを押しても維持され、リニア電子カウンターの減算機能を利用してテープ途中からの残量時間を確認するなど、マーカーとしても利用できます。
新開発ICによるドルビーNR B-Cタイプを搭載しています。
ピークホールドとリアルタイムのピーク値を同時に表示するワイドレンジ・ピークプログラムメーターを搭載しています。
TypeI/II/IVのオートテープセレクターを搭載しています。
オートスペース付きRec Mute機能を搭載しています。
カセットローディング時のテープたるみ防止機能を搭載しています。
出力可変ヘッドホン端子を搭載しています。
別売りタイマーにより連続留守録音や再生が可能です。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ |
ヘッド | 消去:1 録音:1 再生:1 |
モーター | リニアトルクBSL D.D.モーター:1 DCモーター:1 |
SN比(EIAJ) | 56dB(Dolby off、ピークレベル、Metal-Sカセット) 73dB(Dolby NR C) |
周波数特性 | 20Hz~20kHz ±3dB(EIAJ、Metal-Sカセット) |
周波数範囲 | 15Hz~22kHz(EIAJ、Metal-Sカセット) |
ワウ・フラッター (EIAJ) |
±0.04%Wpeak 0.025%WRMS |
歪率 | 0.5%(EIAJ、Metal-Sカセット) |
消費電力 | 27W |
外形寸法 | 幅430x高さ125x奥行350mm |
重量 | 8.2kg |