SONY TC-FX20
¥41,800(1981年頃)
解説
ドルビーNR・Cタイプを搭載したステレオカセットデッキ。
ノイズリダクションシステムとして、従来のBタイプの3倍に相当する約20dBのノイズ改善を実現したドルビーNR・Cタイプを搭載しています。
Cタイプでは、ノイズを感じにくい低域の信号にはNRをかけず、ノイズの息づき現象と呼ばれるブリージングの発生を抑えており、さらにBタイプにも用いられたスライディングバンド方式を強化して採用することで、信号レベルに合わせて動作する周波数を変動させ、NR量を抑えています。
また、アンチ・サチュレーション回路とスペクトラル・スキューイング回路という2つの回路を搭載することで、テープの高域特性を改善し、過飽和による歪を低減しています。アンチサチュレーション回路は、高域信号で飽和レベルを超えそうな大信号があると動作し、最大3dBの範囲内で圧縮してレベル飽和を防ぎます。そして、スペクトラル・スキューイング回路では、聴感上影響度の少ない超高域の信号を入力段で抑え、システムの誤動作を抑えています。
TC-FX20ではドルビーNR・Bタイプも搭載しており、Bタイプで録音されたテープの再生にも対応しています。
キャプスタン駆動用のDCサーボモーターとリール駆動用のDCモーターをそれぞれ専用化した2モーター方式を採用しており、信頼性の向上と回転特性の向上を図っています。
録再ヘッドには、ソニーの磁性体技術を駆使したSD(スーパー・ハイデンシティ)ヘッドを採用しています。
また、消去ヘッドにはマグネフォーカス4Gap消去ヘッドを採用しています。
バイアス、イコライザー同時切替え4段テープセレクターを搭載しています。
再生アンプとヘッドをダイレクトカップリングすることで、コンデンサーによる音質劣化を防いでいます。
アンプ系はDCアンプ構成で±2電源方式となっています。
照明付きのツインVUメーターを搭載しています。
ピークインジケーターを搭載しています。
ヘッドホン端子を搭載しています。
別売りオーディオタイマーを使用することで、留守録音や目覚まし再生が可能です。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ | |||||||||||||||||||||||||
ヘッド | 録再x1 消去x1 |
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モーター | キャプスタン用:DCサーボモーター リール用:DCモーター |
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SN比 |
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周波数特性 | 30Hz~15kHz ±3dB(Metallicテープ) | |||||||||||||||||||||||||
周波数範囲 | 20Hz~17kHz(Metallicテープ) | |||||||||||||||||||||||||
ワウ・フラッター(EIAJ) | ±0.07%W Peak(0.05%WRMS) | |||||||||||||||||||||||||
電源 | AC100V、50Hz/60Hz | |||||||||||||||||||||||||
消費電力 | 11W | |||||||||||||||||||||||||
外形寸法 | 幅430x高さ105x奥行255mm | |||||||||||||||||||||||||
重量 | 4.4kg |