SONY TC-5960
¥118,000(1975年発売)
解説
クローズドループ・デュアルキャプスタン方式、ACサーボモーター、F&Fヘッド+FETアンプのダイレクトカップリング方式という3つの特長を持ったSecloff(セクロフ)シリーズの1モーター4ヘッド構成のテープデッキ。
プロ用機にも採用されているクローズドループ・デュアルキャプスタン方式を採用しています。
この方式では、キャプスタンを2個使いその中央にヘッド部を配置することで、テープ走行中の振動やテンション・ムラをヘッドの手前で抑え、ワウ・フラッターや変調ノイズ、速度変動を減少させることで音質を改善しています。
モーターにはACサーボモーターを採用しています。
このモーターは、同軸の周波数発電機とサーボアンプにより、回転速度の変化を補正し、正しい回転数を維持しています。
ヘッドにはF&Fヘッドを採用しています。このヘッドではコア部だけでなくガード部にまで同質のフェライトを使用したオールフェライト構造を採用しており、パーマロイヘッドの約200倍の耐摩耗性を実現するとともに、高周波損失を抑えることで周波数特性を改善しています。
さらに、このヘッドとプリアンプを直結させたダイレクトカップリング方式を採用しています。これにより、ヘッドとアンプとの間にコンデンサーなどの素子が介在しないため、音質の劣化がありません。
また、プリアンプ初段には、リニアリティと高域特性に優れた低雑音のFETを特に開発・採用しており、低歪、ローノイズ化を図っています。
録音・再生オートリバース、再生リピートが可能です。
4トラック形式で、9cm/s、9.5cm/sに対応した1モーター4ヘッド構成となっています。
録音ヘッドと再生ヘッドが自動的に180゜反転するロート・バイラテラルヘッドを採用しており、往復間の特性の均一化を実現し、さらに再生モニターも可能となっています。
テープの張力を一定に保つテンションレギュレーターを搭載しています。
15dB/30dB切替えが可能なマイクアッテネーターを搭載しています。
デュアドテープやSLHテープが使用可能な、バイアス2段/イコライザー3段切換式のテープセレクターを搭載しています。
マイクとラインのミキシングが可能です。
ラインアウトボリュームを搭載しています。
別売りでダストプロテクターがありました。
機種の定格
型式 | テープデッキ |
周波数特性 | 30Hz~30kHz ±3dB(19cm/s、デュアドテープ使用時) |
SN比 | 61dB(デュアドテープ使用時) |
ワウ・フラッター | 0.06%wrms(19cm/s) 0.10%wrms(9.5cm/s) |
消費電力 | 41W |
外形寸法 | 幅410x高さ401x奥行201mm |
重量 | 14.5kg |
別売 | ダストプロテクター DP-21(¥3,600) |