SONY TC-2200A
¥46,800(1972年頃)
解説
F&FヘッドとFETアンプを採用した高級ステレオカセットデッキ。
メカニズムに、クローズドループ・デュアルキャプスタン方式を採用しています。
2個のキャプスタンの中央にヘッドを置くこの方式は、常に一定のヘッドタッチが得られるだけでなく、テープが進行中に起こす振動やテンションムラが抑えられるため、テープの走行安定性が向上しています。
またモーターには、防振対策を施したヒステリシス・シンクロナスモーターを新たに採用しており、、ワウフラッターを改善するとともに、変調雑音や速度変動も押えられています。
フルオートストップメカを搭載しており、録音・再生・早送り・巻戻しのいずれの場合でもテープが巻き終わった時に、操作ボタンとヘッド部、ピンチローラーが自動的に停止位置に戻るメカニカル・オートシャットオフ機構がついています。
このため機構部やテープに無用な負担をかける事が無くなりました。
ヘッドにはソニー独自のF&F(フェライト&フェライト)ヘッドを採用しています。
このヘッドの第一の特徴は、ガード部にまでフェライトを用いた構造をしており、ラミネート型の200倍の耐摩耗性を備えているため、ヘッドの片減りが生じず、はじめにセッティングしたバイアス値が長期にわたって変化しないため、周波数特性や歪特性が半永久的に不変となっています。
また、ヘッドの前面を均一のブラックミラー仕上げにしており、テープのヘッドタッチがよく、ゴミ付着などが起きません。
第二の特徴は、コアロスが皆無に近く、ギャップも1.5μの超ナローギャップであるた周波数特性に優れている事で、これにはフェライトヘッドの熱雑音の少なさを利点として回路設計が出来るFETをプリアンプに採用した事が影響しています。
プリアンプ部にはF&Fヘッドの特性を生かすためFETプリアンプが採用されており、初段にリニアリティと高域特性が優れ、さらに低雑音なFET2個を使用しています。
これにより、高域損失が少ないフェアライトヘッドの特性が生かされ、アンプノイズを低減しています。
テープセレクタースイッチを搭載しており、ソニークロミカセット(CrO2テープ)の使用が可能です。
ソニーが開発したリミッター録音方式を搭載しています。
この方式は、マニュアルでレベルあわせをした後に、リミッタースイッチをONにしておけば、適正入力の時にはマニュアル録音の状態で録音され、不意に大入力が入った時にだけ自動的にリミッター回路が動作して歪を防ぐ方式です。
この方式をOFFにすれば、マニュアル録音も可能です。
トランジスタ2個、ダイオード2個の専用アンプを備えた左右独立の照明付レベルメーターを搭載しています。
専用アンプを搭載した音量2段切り換えのヘッドホン出力を搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオカセットデッキ | ||
テープ速度 | 4.8cm/s | ||
録音可能時間 | C-120で往復120分 | ||
早送り、巻戻し時間 | 1分20秒(C-60にて) | ||
トラック方式 | 4トラック2チャンネルステレオ/モノラル | ||
録音バイアス周波数 | 85kHz | ||
総合S/N | 49dB | ||
総合歪率 | 2% | ||
周波数特性 | 20Hz~18kHz(ソニークロミカセット使用) 20Hz~16kHz(一般用テープ使用) |
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ワウ・フラッター | 0.1% | ||
入力ジャック | マイクジャック(2系統):最大感度0.2mV/ローインピーダンス ライン入力ジャック(2系統):最大感度0.06V/100kΩ 録再コネクター(入力側):2.2kΩ |
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出力ジャック |
録再コネクター(出力側):10kΩ |
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使用半導体 | トランジスタ:16個 FET:2個 ダイオード:7個 |
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電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 12W | ||
外形寸法 | 幅400x高さ127x奥行276mm | ||
重量 | 6kg | ||
付属 | 接続コード RK-74x2 ヘッドクリーニング棒x1組 |