SONY PS-X65
PS-X65:¥59,800(1979年発売)
PS-X65C:¥65,000(1979年発売)
解説
コンピューターコントロールアームを採用したフルオートプレイヤー。
カートリッジレスのPS-X65とMM型カートリッジXL-25Aが付属したPS-X65Cがありました。
バイオトレーサーの電子制御と従来のスタティックバランス方式との結合を図ったコンピュータ・コントロール・アームを採用しています。このアームは、水平方向の速度センサーと位置検出センサー、そしてリニアモーターを装備し、水平駆動を電子制御しようというもので、これにより低域の改善に成功しています。
また、操作性では、コンピューターによるロジカルコントロール操作や電子式インサイドフォースキャンセラーなど、X75と同様に行えるまでに向上させています。
通常のオート動作のほか、アームの自由自在な移動とターンテーブルのみのスタート/ストップによる厳密なキューイング、回転数切替えをフロントコントロール可能です。
さらにオート・レコードサイズセレクト、電子式インサイドフォースキャンセルなど、ゼロバランスをとり針圧調整を行う以外は、レコードをセットするときを除いて、ダストカバーに触れる必要がありません。
アームリフターに連動したミューティング機構を搭載しています。
モーターにはブラシもスロットも必要としないシンプルなリニアBSL(スロットレス)モーターを採用しており、コギングの原因となるスロットを追放したため、トルクむらが少なく、静かでなめらかな回転を実現してます。
また、効率が良いため高トルクが得られ、信頼性、耐久性も優れたものとなっています。
サーボ回路の速度検出にはマグネディスク速度検出方式を採用しています。
この方式はターンテーブルに高密度着磁した検出信号をマルチギャップヘッドで平均値検出し、微小な回転数の変化もキャッチを可能にしています。また、33
1/3rpm時に約284Hzという高い発生信号周波数を持っているため、フラッター成分の中でも比較的高い周波数までサーボ補償が可能です。
素子の温度特性などが検出信号に影響を無視できるように、クリスタルロックを搭載しています。
水晶のもつ高い発振精度を利用して位相制御することで、周囲温度の変化や電源電圧・周波数の変動の影響を受けない安定した回路特性を得ています。
トーンアーム周辺の無共振化を図っており、ロングスパン軸受構造やダブルサポート式チャッキング機構、亜鉛ダイキャスト製のアームベースなどを採用し、有害共振を低減しています。
キャビネットには音響素材であるSBMCを採用しています。厚さや構造などあらゆる点を検討し、要所要所に補強を施す事で、部分共振を低減しています。
また、ダストカバーも厚みをもたせることで振動を低減しています。
インシュレーターにはゲル状のダンプ材を封入したものを採用しており、振動による悪影響を低減しています。
機種の定格
型式 | クリスタルロックD.D.フルオートプレイヤーシステム |
<ターンテーブル部> | |
ターンテーブル | 32cmアルミダイキャスト |
ワウ・フラッター | 0.015%wrms(回転系) |
負荷特性 | 0%(針圧150g) |
起動特性 | 1/2回転以内 |
ドリフト時間 | 0.0003%/h以下 |
SN比 | 78dB(DIN-B) |
<トーンアーム部> | |
有効長 | 235mm |
全長 | 330mm |
アーム高さ調整範囲 | ±3mm |
針圧調節範囲 | 0~2.5g |
シェル自重 | 11.0g(SH-155) |
使用可能カートリッジ自重範囲 (シェル自重含) |
12.0g~19.0g 19.0g~26.0g(補助ウェイト使用) |
<カートリッジ部(PS-X65Cのみ)> | |
カートリッジ | MM型(XL-25A) |
周波数特性 | 10Hz~30kHz |
出力電圧 | 4mV(1kHz、5cm/s、45゜) |
針 | 0.3x0.8milダイヤ楕円針 |
自重 | 5.2g |
<総合> | |
外形寸法 | 幅480x高さ165x奥行420mm |
重量 | 約13kg |
付属 | 45回転アダプター 補助ウェイト ヘッドシェル(SH-155) カートリッジ取付ビス一式 |