SONY PS-X600MC
¥66,000(1983年頃)
解説
MCカートリッジを標準搭載したフルオートプレイヤーシステム。
マイクロコンピューターによって、全ての動作を電子的にコントロールするバイオトレーサーを搭載しています。
1000分の1秒に数百の論理判断を行うマイクロコンピュータと、速度および位置検出センサー、リニアモーターによって全ての動作を電子的にコントロールすることで、どんなカートリッジを使用しても低域共振のピークを3dB以内に抑え、混変調歪や低域のクロストークを改善し、多少のソリのあるレコードもトレースが可能です。
カートリッジには、サマリウムコバルトを使用した空芯8の字コイルによる、針交換も可能なMCカートリッジXL-333Eを搭載しています。
軽針圧ハイコンプライアンスカートリッジの良さを引出し、バイオトレーサーの追従性の良さを生かす、ローマス・ストレートアームを搭載しています。
さらに、アームパイプの高剛性化を計るため、特殊アルミ合金をテーパー状とすることで剛性を高め、不要共振からの影響を抑えています。
回転系には、DCモーターからブラシもスロットも取り去り、トルクむらの原因を根本的に断ったリニアBSLモーター、ターンテーブルに高密度で着磁した検出信号をマルチギャップヘッドで平均値検出し微少な回転数変化もキャッチするマグネディスク速度検出、水晶の持つ高い発振精度を利用し正確なサーボを行うクォーツロックの3段構えを採用し、安定した回転を実現しています。
針圧調整がパネル上のボリュームコントローラーで行え、同時に針圧に見合ったインサイドフォースキャンセル量も設定される、電子式針圧印加方式を採用しています。
これにより、環境温度の変化による適正針圧値のズレを、再生音を聴きながら調整可能です。
通常のオート動作のほか、トーンアームのアップ/ダウン、ターンテーブルのスタート/ストップといったマニュアル感覚な操作もフロントパネルからコントロール可能です。
アームに手を触れる事無く厳密なキューイングが可能です。
レコード盤のサイズを自動的に選別し、トーンアームをリードインする光電子ディスクサイズセレクターを搭載しています。この機構は、レコード盤が無いときは針が効果しない保護機能としても働きます。
レコード盤と針先が接触した時のノイズの発生をなくすミューティング機構を搭載しています。
キャビネットには内部損失が大きいSBMCを採用し、無共振化を図っています。
また、インシュレーターには高粘弾性物質封入の大型インシュレーターを採用しています。
別売りのシンクロユニットを使用することで、カセットデッキとのシンクロプレイが可能です。
機種の定格
型式 | クォーツロックD.D.フルオートプレイヤーシステム |
<ターンテーブル部> | |
ターンテーブル | 32cmアルミダイキャスト |
ワウ・フラッター | 0.015%WRMS(回転系) |
負荷特性 | 0%(針圧150g) |
起動特性 | 1/2回転以内(33・1/3rpm時) |
SN比 | 78dB(DIN-B) |
<トーンアーム部> | |
トーンアーム | バイオトレーサー(電子制御トーンアーム) |
有効長 | 216.5mm |
全長 | 295mm |
針圧調整範囲 | 0~3.0g(電子式) |
シェル自重 | 5.0g(SH-151) |
使用可能カートリッジ自重範囲 (シェル自重含) |
7.5g~12.5g 12g~17g(補助ウェイト使用) |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ | MC型(XL-333E) |
周波数特性 | 10Hz~35kHz |
出力電圧 | 0.165mV(1kHz、5cm/s、45゜) |
針 | 0.3x0.8mil楕円ダイヤモンド |
自重 | 3.5g |
交換針 | ND-333E(¥6,000) |
<総合> | |
外形寸法 | 幅430x高さ120x奥行385mm |
重量 | 8.5kg |
付属 | 45回転アダプター カートリッジ(XL-333E) ヘッドシェル(SH-151) 補助ウェイト カートリッジ取付ビス |
別売 | シンクロリモートコントロールユニット RM-65(¥3,000) |