SONY PS-X555ES
¥70,000(1984年頃)
解説
音溝に刻まれた音楽情報の全てをピックアップするという理想に対して、あらゆる角度から徹底的に追求したフルオートプレイヤー。
ソニー独自のバイオトレーサーを搭載してます。
これは、1000分の1秒に数百の論理判断を行うマイクロコンピューターと、速度及び位置検出センサー、リニアモーターによって全ての動作を電子的にコントロールするシステムで、これによりどんなカートリッジを装着しても、低域共振ピークを3dB以内に抑える事ができ、同時にクロストークも改善されることで優れた低域再生を実現しています。
さらに、聴感上のワウ・フラッター感が減り、音の立ち上がりや定位、ダイナミックレンジ、歪感などの音質向上を図っています。
アーム部には、リニアトラッキング方式を採用しています。
この方式で問題となるトラッキングアームの付け根でのガタツキを防ぐため、バイオトレーサーの開発で得たノウハウを基に無共振化を徹底しており、トラッキングエラーの低減と、よりクリアな音楽再生を可能にしています。
回転系には、ターンテーブルを静粛に、なめらかに回転させるため、モーター技術や制御方式の開発において先進の技術を投入しており、3段ブロック構成を採用しています。
DCモーターからブラシもスロットも取り去り、トルクむらの原因を根本的に断ったBSLモーター、ターンテーブルに高密度に着磁した検出信号をマルチギャップヘッドで平均検出し、微少な回転変化を素早くキャッチするマグネディスク速度検出、水晶の持つ高い発振精度を利用し、正確なサーボを行うクォーツロックにより、安定した回転特性を獲得してます。
サマリウムコバルトを使用した空芯8の字コイルによる、針交換可能なMCカートリッジ(XL-333E)を標準装備しています。
レコード演奏中でもパネル上のボリュームコントローラーにより針圧調整のできる、電子針圧印加方式を採用しています。
トーンアームの左右移動をボタン操作で行えるキューイング機構を搭載しており、左右5mm範囲内の移動はゆっくり動く設計により、正確な頭出しが可能です。
アームがレスト位置まで戻らずレコード盤の頭からすぐに演奏を再開するクイックリピート機構を搭載しています。
17cmEP盤、30cmLP盤にかかわらず、自動的にサイズがセレクトされ、トーンアームが正確にリードインする光電子ディスクサイズセレクターを搭載しています。
また、レコード針をセットしないでスタートボタンを押しても、針先が降下せずそのままリターンする安定設計を採用しています。
針先が降りきるまで出力をカットし、レコード盤と針先がタッチしたときのノイズをなくすミューティング機構を搭載しています。
キャビネットには強度と十分な内部損失を持つSBMC材を採用しており、高粘弾性物質封入の大型インシュレーターを採用しています。
別売りのRM-65使用により、ソニーのデッキとシンクロプレイが可能です。
機種の定格
型式 | クォーツロックD.D.フルオートプレイヤーシステム |
<ターンテーブル部> | |
ターンテーブル | 32cmアルミダイキャスト |
ワウ・フラッター | 0.015%WRMS(回転系) |
負荷特性 | 0%(針圧100g) |
起動特性 | 1/2回転以内(33・1/3rpm時) |
SN比 | 78dB(DIN-B) |
<トーンアーム部> | |
トーンアーム | リニアトラッキングバイオトレーサー(電子制御トーンアーム) |
有効長(全長) | 130mm(212.5mm) |
針圧調整範囲 | 0.5g~2.5g(電子式) |
シェル自重 | 7.2g(SH-156、フィンガー無し) |
使用可能カートリッジ自重範囲 (シェル自重含) |
10g~15g 14.5g~19.5g(補助ウエイト使用) |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ | MCカートリッジ XL-333E |
周波数特性 | 10Hz~35kHz |
出力電圧 | 0.165mV(1kHz、5cm/sec、45゜) |
針 | 0.3x0.8mil楕円ダイヤモンド |
自重 | 3.5g |
交換針 | ND-333E(¥6,000) |
<総合> | |
外形寸法 | 幅430x高さ105x奥行425mm |
重量 | 7.4kg |
付属 | 45回転アダプター カートリッジ(XL-333E) ヘッドシェル(SH-156) 補助ウエイト カートリッジ取り付けビス |