オーディオの足跡

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PS-X500の画像
 解説 

バイオトレーサーを搭載したクォーツロックD.D.プレイヤーシステム。

トーンアームには、1/1000秒以下の間に数百の論理判断を行うマイクロコンピューターと、速度及び位置検出センサー、リニアモーターによって動作を電子的にコントロールするバイオトレーサーを採用しています。
このバイオトレーサーにより、どんなカートリッジを使用しても低域共振のピークを3dB以内に抑える事ができ、同時にクロストークも改善しています。また、速度型センサーであるため低い周波数ほど検出出力が小さくなり、フィードバック量が少なくでき、さらに速度フィードバックをかけているため振動が起り難いため、ハウリングや衝撃に強い構造となっています。

オートリフトアップ機構を搭載しており、演奏が終了するとトーンアームが自動的にアップし、レコード面から針先が離れ、ターンテーブルがストップします。

モーターにはブラシもスロットも必要としないシンプルなリニアBSL(スロットレス)モーターを採用しており、コギングの原因となるスロットを追放したことでトルクむらを低減し、静かでなめらかな回転を実現しています。
さらに、効率が良いため高トルクが得られ信頼性や耐久性を向上しています。

サーボ回路の速度検出にはマグネディスク速度検出方式を採用しており、ターンテーブルに高密度着磁した検出信号をマルチギャップヘッドで平均値検出し、微小な回転数の変化を捉えています。
33・1/3rpm時に約284Hzという高い発生信号周波数をもっているため、フラッター成分の中でも比較的高い周波数までサーボ補償が可能です。

マグネディスク速度検出で得た速度信号は、基準信号と比較され、正しい回転速度を保つようコントロールされていますが、この際に使用する素子の温度特性が影響を与え、正確なサーボがきかなくなる場合があります。これを改善するため、検出した信号を位相制御するクォーツロックを採用しています。
水晶の持つ高い発振精度を利用し、周囲温度の変化や電源電圧・周波数の変動にも強い安定した回転特性を得ています。

トーンアーム部では、各コネクション部の接合部を強化し、さらに軸受部の動作点のブレを減少するなど、徹底した無共振化を図っています。
軸受け部のボールベアリングを回すためのわずかな隙間がガタを呼び、アームの動作点をブレさせるのを低減するため、支点間の距離を長くとった一本のストレート軸で支えるロングスパン軸受けシャフトを採用しています。これによりベアリング部のわずかなガタに対しても、動作点のブレを最小限に抑えています。
アームパイプには剛性を高めた特殊アルミ合金を採用し強度を高めています。さらに、アームパイプをテーパー状に仕上げるなどの配慮が施されています。

キャビネットには、金属などに比べて共振しにくく、高精度で強度が大きいという特徴を持ったSBMCキャビネットを採用しています。さらに、厚さや構造などを検討し要所要所に補強を施す事で、部分共振を抑えています。
また、ダストカバーも厚みのある頑丈なものを採用することで、振動を低減しています。

インシュレーターにはゲル状のダンプ材を封入したインシュレーターを採用しています。

機種の定格
型式 クォーツロックD.D.プレイヤーシステム
<ターンテーブル部>
ターンテーブル 32cmアルミダイキャスト
ワウ・フラッター 0.015%wrms(回転系)
負荷特性 0%(針圧150g)
起動特性 1/2回転以内
速度偏差 0.0003%
SN比 78dB(DIN-B)
<トーンアーム部>
有効長 216.5mm
全長 295mm
針圧調節範囲 0~3.0g
シェル自重 5.0g(SH-151)
使用可能カートリッジ自重範囲
(シェル含)
7.5g~12.5g
12.0g~17.0g(補助ウェイト使用)
<総合>
外形寸法 幅430x高さ120x奥行385mm
重量 8.3kg
付属 45回転アダプター
補助ウェイト
ヘッドシェル(SH-151)
カートリッジ取付けビス
ダストカバー