SONY PS-P7X
¥65,000(1979年頃)
解説
マイクロコンポーネントPRECISEのラインナップとして開発され、LPジャケット一枚半、高さ110mmのサイズを実現したオートリターンプレイヤーシステム。
モーターにはリニアBSL(スロットレス)モーターを搭載しています。
コギングの原因となるスロットを追放したため、トルクむらを極めて少なく抑えており、滑らかで静かな回転を実現しており、さらに効率が良いため高トルクが得られ、信頼性、耐久性も向上しています。
サーボ系の速度検出部にはマグネディスク速度検出方式を採用しています。この方式では、回転面積が広範囲にとれるターンテーブル外周部の内壁に磁性体をコーティングし、ここに512波の検出信号を着磁し、これをマルチギャップヘッドで平均値検出してサーボ系に制御指令を送っています。また、33
1/3rpm時に約284Hzという高い発生信号周波数を持っているため、フラッター成分の中でも比較的高い周波数までサーボ補償が可能となっています。
マグネディスク検出した速度サーボ回路に、水晶発振の位相制御回路を加えたクリスタルロックを採用しています。検出した信号を位相ロックすることにより、本体の自己発熱による初期ドリフトだけでなく、自己発熱による電圧の変動による回転数のずれ、針圧負荷による回転数低下などを低減し、優れた回転特性を得ています。
キャビネットには金属に比べ内部損失が大きく、高精度で強度が多き構造が容易に得られるSBMCを採用してます。またインシュレーターには高さ調整が可能な低重心構造インシュレーターを採用しており、内部のゴムカップにゲル状高粘弾性物質を充填することで効果的な振動吸収を可能にしています。
オートリターン機構では、アーム駆動専用のFG付サーボモーターを設け、信頼性の向上をはかるとともに、針先のレコードへのタッチノイズを防ぐミューティング機構を搭載しています。
また、針先に側圧をかけない電子式のレコードエンド検出方式ルミナスセンサーを採用しています。
トーンアームのアップ/ダウンやモーターのスタート/ストップ、回転数切替えを全てフロントオペレーションで行えます。
回転数のLED表示が可能です。
カートリッジにはMM型カートリッジXL-25Aを搭載しています。
機種の定格
型式 | クリスタルロックD.D.2モーター・オートリターンプレイヤーシステム |
<ターンテーブル部> | |
ターンテーブル | 31cmアルミダイキャスト |
ワウ・フラッター | 0.025%wrms |
SN比 | 75dB(DIN-B) |
<トーンアーム部> | |
有効長 | 216.5mm |
全長 | 300mm |
針圧調節範囲 | 0~3g |
使用可能カートリッジ自重範囲 (シェル自重含) |
12g~18.5g 18g~24.5g(補助ウェイト使用) |
<カートリッジ部> | |
カートリッジ | MM型(XL-25A) |
周波数特性 | 10Hz~30kHz |
出力電圧 | 4mV(1kHz、5cm/s、45゜) |
針 | 0.3x0.8mil楕円ダイヤ針 |
自重 | 5.2g |
<総合> | |
外形寸法 | 幅430x高さ110x奥行350mm |
重量 | 9.5kg |
付属 | 45回転アダプター 補助ウェイト ヘッドシェル カートリッジ(XL-25A) |