SONY EL-D8
¥150,000(1978年頃)
解説
エルカセットを生録で使用できるエルカセットコーダー“エルカセットデンスケDD”。
キャプスタンには、ソニーのDDプレイヤーで実績を持つBSL(ブラシアンドスロットレス)モーターを用いたダイレクトドライブ方式を採用しています。さらに、アンチローリング効果の高いマグネディスクサーボを組み込んでいます。
BSLモーターには原理的にコギング(トルクムラ)が無いうえ、優れたサーボ機構と相まって低ワウ・フラッターを実現しています。
早巻き用には専用のDCモーターを使用しており、2モーター構成で無理の無いメカニズムを形成しています。
エルカセットテープは、使用時の煩雑さを防ぐため、Type-I、II、IIIの3つの規格を統一しており、それぞれシェルの底部にタイプ別検出孔を設けています。EL-D8ではこれを利用することでテープセレクターのオートマチック化を図っています。
ドルビーNRを搭載しています。
EL-D8ではエルカセットに設けられたツメを折ればONの状態で録音・再生するため、ミスがありません。
1msecの1旬の音も-40dBから+5dBまで指示するPPM(ピークプログラムメーター)を搭載しています。
さらに、ピークホールドスイッチをONにすると、レベルの最大値をホールドし、より大きなレベルが入った時は、順次その最大値をホールドします。
F&Fヘッドと再生アンプを直結したダイレクトカップリング方式を採用しています。
過大入力を防ぐ、20dB減衰のマイクアッテネータースイッチを搭載しています。
一定レベル以上の信号を自然な感じで抑えることで歪の発生を防ぐソニーリミッターを搭載しています。
テープ走行時の速度偏差を抑えるメカニカルテンションレギュレーターを搭載しています。
変調ノイズを可聴帯域外に抑えるスクレープフィルターを採用しています。
MPXフィルターを搭載しており、FMエアチェックにも対処しています。
出力400mWのモニタースピーカーを内蔵しています。
AC100V/乾電池/充電式電池/カーバッテリーの4種類に対応した4電源方式となっています。
DC-DCコンバーターにより乾電池8本(12V)を、4倍の±24Vに昇圧し、アンプ部のリニアリティを十分に取れるようにしています。また、アンプ部への供給電圧の変動を抑えるFETバッファ電源を搭載しており、電源に起因する音の歪を低減しています。
エアダンパー式ソフトイジェクトを採用しています。
電子式オートシャットオフメカニズムを搭載しています。
ショルダーベルトが付属しています。
別売りでキャリングケースがありました。
機種の定格
型式 | ポータブル・ステレオ・エルカセットコーダー |
ヘッド | 消去:1 録再:1 |
モーター | キャプスタン用:BSLモーター(マグネディスクサーボ内蔵)x1 早巻用:DCモーターx1 |
SN比 | 62dB(dolby off、ピークレベル、Type-IIデュアド) |
周波数特性 | 25Hz~22kHz ±3dB(Type-IIデュアド) |
ワウ・フラッター | 0.04% |
歪率 | 0.8%(Type-IIデュアド) |
モニター出力 | 400mW(EIAJ) |
電源 | AC100V(付属ACパック) 乾電池12V(単1x8) カーバッテリー(別売DCC-130使用) 充電式電池(BP-55使用) |
電池寿命 | 約16時間(エバレディアルカリAM-1) 約5時間(ソニースーパーSUM-1S) |
消費電力 | 8.5W(AC時) |
外形寸法 | 幅332x高さ100x奥行298mm |
重量 | 5.8kg(乾電池含む) |
付属 | ショルダーベルト |
別売 | キャリングケース LC-D8(¥7,000) |