SONY EL-5
¥128,000(1976年発売)
解説
性能・機能の両面から追及したエルカセットデッキの標準機。
専用回路と電磁ソレノイドを使用したロジカルコントロールシステムを採用しており、1モーター機の複雑になりがちな伝達メカニズムを電子的におきかえ、シンプルにまとめています。
また、操作ボタンはフェザータッチとなっています。
メカニカルテンションレギュレーターを採用しており、走行精度を向上しています。
テープ振動を吸収するとともに振動スパンを短縮するスクレープフィルターを搭載しており、変調ノイズを可聴帯域外に追い上げています。
ヘッドには、積層化していない1枚板のフェライトをコア部だけでなくガード部にまで使用した、ソリッドコア・オールフェライト構造のF&Fヘッドを採用しています。これにより片減り現象やギャップのズレなどが発生し難く、位相特性や周波数特性が改善しています。
また、FETを用いてF&Fヘッドと再生アンプをダイレクトに結合するダイレクトカップリング方式を採用することで、SN比や周波数特性、歪率を改善しています。
モーターにはFG付き周波数サーボモーターを搭載しています。
モーターの回転軸にFG(周波数発電機)を直結し、発生する周波数の変化から回転数のズレを検出することで、サーボコントロールを行っています。この構造により、回路中の電気的な変動を受け難くなっており、温度上昇で電圧が変動しても、発振周波数が殆ど変化せず、安定した回転数を維持します。
ドルビーNRを搭載しています。
エアチェックの際に不要なパイロット信号などをカットするMPXフィルタースイッチを搭載しています。
巻戻し999でストップし、自動的に再生もできるメモリーストップ・プレイ機構を搭載しています。
バイアス、イコライザー独立3段切換テープセレクターを搭載しています。
別売りワイヤードリモコンにより、離れた場所からの操作やRec-Muteが可能です。
別売りタイマーを使用することで、連続留守録音や目覚まし再生が可能です。
後追い録音が可能です。
ラインとマイクのミキシングが可能です。
リアパネル入力に優先する、フロントラインイン・ジャックを搭載しています。
光電検出式オートシャットオフ機構を搭載しています。
独立したヘッドホンボリュームを搭載しています。
セーフティロック機構を搭載しています。
ソフトイジェクトが可能です。
機種の定格
型式 | エルカセットデッキ |
トラック形式 | 4トラック2チャンネル |
テープスピード | 9.5cm/s |
バイアス周波数 | 160kHz |
録音時間 | 往復60分(LC-60にて) |
使用ヘッド | 消去ヘッド:1 録再F&Fヘッド:1 |
使用モーター | FG付周波数制御サーボモーター |
シャットオフ形式 | オートシャットオフメカニズム |
早送り、巻戻し時間 | 75秒(LC-60にて) |
周波数特性 | 25Hz~20kHz ±3dB(Type-II、DUADテープ) 15Hz~25kHz(Type-II、DUADテープ) |
S/N比(315Hz、ピーク) | 59dB(Type-I、SLHテープ) 62dB(Type-II、DUADテープ) |
ワウ・フラッター | 0.06%wrms |
歪率 | 0.8%(Type-IIテープ) |
入力感度/インピーダンス | マイクロホン:0.3mV(-68dB)/LowImp Line in:0.095V(-18dB)/100kΩ Line in(front):0.095V(-18dB)/10kΩ |
出力レベル/インピーダンス | Line out(max):0.775V(100kΩ負荷時)/10kΩ以上 Headphones:負荷8Ω~32Ω |
使用半導体 | トランジスタ:82個 FET:2個 IC:4個 ダイオード:60個 LED:1個 |
ACアウトレット | 連動:2系統、200W 非連動:1系統、300W |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 33W |
外形寸法 | 幅430x高さ170x奥行320mm |
重量 | 10.5kg |
付属 | 接続コード ヘッドクリーニング棒1式 テープドライバー |
別売 | ワイヤードリモコン RM-30(¥9,800) |