オーディオの足跡

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DTC-55ESの画像
 解説 

シリアルコピーマネージメントシステムに対応することでCDからのデジタル録音を可能にしたDATデッキ。

ソニーのDATデッキで初めシリアルコピーマネージメントシステムに対応しており、従来は不可能であったCDからDATデッキへのデジタル→デジタル録音を可能にしてます。
シリアルコピーマネージメントシステムでは、CDをマスターにしてデジタル→デジタル録音が可能ですが、録音して得たテープをマスターにしてのデジタル→デジタル録音は行えません。また、アナログ入力で録音したテープの場合は、そのテープをマスターにして一世代のデジタル→デジタル録音ができますが、二世代目のデジタル→デジタル録音はできません。

A/D変換部には、新開発のハイデンシティ・リニアA/Dコンバーターを採用しています。
A/D変換では、アナログ信号の一瞬一瞬のレベルをサンプリングし、その一つ一つを量子化していきますが、元のアナログ信号に高調波などのの成分が含まれていると、折り返し雑音と呼ばれるノイズが発生するため、ローパスフィルターを通してからサンプリングしています。このフィルターにはサンプリング周波数を中心として現れるスペクトラムとの関係から、比較的急峻な特性を持ったものを使用しており、群遅延特性や位相特性を悪化させていました。
ハイデンシティ・リニアA/Dコンバーターでは、極めて高速な動作をするため、サンプリング後に現れる不要スペクトラムを遙かかなたにシフトさせることができ、ローパスフィルターも、1次のCR型という極めて軽いタイプで済んでいます。

D/Aコンバーターには、8fsデジタルフィルターつきの18ビット・リニアD/AコンバーターをL/Rデュアル構成で採用しています。

ヘッドには、ソニーがVTRで培ったヘッド技術を応用し、長時間使用しても均一なギャップ幅が維持できるDAT用ヘッドを開発し、採用しています。

標準およびオプション1モードで連続120分、オプション2モードで240分の録音/再生が可能です。

エラー訂正・補正方式として、ダブルエンコーデッド・リードソロモン方式を採用しています。これにより、テープの長手方向のバーストエラーや2つのヘッドの一方が再生不能になった場合でも訂正・補正が可能となっています。
さらに、DTC-55ESではスーパーストラテジーに加えて、エラー情報を先取りして最適訂正を行うフィードフォワードスーパーストラテジー方式を採用しており、高速サーチの繰り返しに耐える高い信頼性と、強い耐振性を得ています。

エラー訂正、RAMコントロール、デジタルI/Oなどの信号処理用のLSIをわずか1個に集積した新開発の第2世代LSIを採用しています。このLSIは1個のでゲート数に換算しておよそ2万ゲートに及ぶ高集積度を誇ります。
さらに、ソフトウェアサーボやメカニズムコントロールなどを制御するマイコンも1個のLSIに集約しており、部品点数を大幅に削減し、基板構成をシンプル化しています。
これにより信頼性が向上し、エラー訂正能力もさらに高まっています。

新開発の正立透視型カセットコンパートメントを採用しています。これによりカセットテープと同様にテープ走行が直接確認できるほか、ラベル文字も読み取ることが可能です。また、テープを入れて音が出るまでの時間を従来の半分に抑え、素早い録音/再生を実現しています。
さらに、パワーローディング機構を用いたダイレクトオペレーションも採用しており、テープを入れて直接目的のボタンを押すだけでテープが引き込まれ、動作に移ります。

メカニズムには精度の高いアルミ合金をベースユニットに、キャプスタン用とヘッドドラム回転用にそれぞれ専用のダイレクトドライブモーターを配し、さらにリール駆動が回転精度に負担を与えないようにリール用にも専用のBSLモーターを使用した2D.D.+1BSLモーターメカニズムとなっています。
また、モーターサーボにもメカニズムやモーターに合わせたサーボ特性が設定できるソフトウェアサーボを採用しています。

デジタルフェードイン/フェードアウト機能を搭載しています。
フェードイン/フェードアウトタイムは、それぞれ個別に0.2秒から15秒の範囲で細かく設定できます。さらに、ポーズ機能と連動しているため、編集録音する際に活用できます。

サブコード機能を搭載しており、スタートID、スキップID、エンドIDの登録ができます。
マニュアルで行うスタートID/スキップID/エンドIDの書き込みには全てリハーサル機能を搭載しています。リハーサル中は、音を聴いて確認しながらポイントを前後に0.3秒単位で移動でき、移動時間はディスプレイに表示されます。また、すでに書き込まれたスタートIDもリハーサルしながら修正ができます。
さらに、いったん書き込んだIDを単独で消去できるイレース機能や、プログラムナンバー機能、ワンタッチでテープの頭からナンバーを振り直すリナンバー機能、スタートIDを0.3秒ずつ前につけ直しながらリナンバーするシフトリナンバー、テープトップからの絶対時間を表示するアブソリューとタイムなどの機能を搭載しています。

タイムサーチやAMSプレイ、AMSサーチ、プログラムナンバーサーチ、ミュージックスキャン、リピート、エンドサーチ、RMSプレイなどの機能を搭載しています。

光と同軸デジタル入出力端子を搭載しています。
光入力と同軸入力の切換えはフロントパネルのスイッチで行います。また、光入力はケーブルによるジッターを吸収するサーボ型のデジタル・シグナル・ノーマライザー回路を採用しています。

テープ走行時間を示すカウンター表示や残量時間を示すリメイニング表示、演奏中の曲の経過時間を示すプログラムタイム、テープトップからの絶対時間を示すアブソリュートタイムの4モードに切替できるリニアカウンターを搭載しています。

BSチューナーや他のDATデッキからのデジタル入力での録音中、信号が途切れても最大約10分間録音ポーズで待機します。

-60~0dB、各ch22セグメントのワイドレンジ・デジタルピークメーターを搭載しています。

デジタルピークメーターを利用したfsマップ機能により、テープ上のおおよその位置にどのサンプリング周波数で録音されているかを視覚的に知ることができます。

録音の際、あとどのくらい記憶レベルに余裕があるかをdB単位でデジタル表示するデジタルピークマージン表示を搭載しています。この表示の基となるデータは、レベルメーター表示用も併せてデジタル処理回路のデータを引用しています。

ディスプレイOFF機能を搭載しており、メーター部のみ消灯、操作時は点灯し録音/再生中は自動消灯、全点灯の3モードから選択できます。この機能はリモコンからも操作ができます。

ディスプレイの輝度を3段階変えられるディマー機能を搭載しています。

音を確認しながら約2.5倍速でスタートし、ボタンを押し続けると約8倍速へ自動的に変化するサウンドつきキュー機能を搭載しています。

別売りのタイマーを組み合わせることで、留守録音や目覚まし再生が可能です。

出力可変ヘッドホン端子を搭載しています。

本体の殆どの操作に加え、ソニーのリモコン対応CDプレイヤーの選曲やポーズといった操作が可能なワイヤレスリモコンが付属しています。
さらに、本体とCDプレイヤー双方に向けて操作することで、本体の録音ポーズ解除に続いてCDの演奏をスタートさせるワイヤレスCDシンクロ録音も可能です。

機種の定格
型式 DATデッキ
チャンネル数 2チャンネルステレオ
サンプリング周波数/量子化ビット数 48kHz/16ビット直線(録音/再生)
44.1kHz/16ビット直線(Digital inのみ録音/再生)
32kHz/16ビット直線(Digital inのみ録音/再生)
32kHz/12ビット非直線(録音/再生)
エラー訂正 ダブルエンコーデッドリードソロモンコード
エンファシス プリエンファシス(録音時、アナログ入力に対して)offに固定
ディエンファシス(再生時)on/off自動切換
変調方式 8-10変換
周波数特性 2Hz~22kHz ±0.5dB
ダイナミックレンジ 92dB以上(録音時、エンファシスoff)
SN比 92dB以上(録音時、エンファシスoff)
全高調波歪率 0.005%以下
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001% W.Peak)以下
インターフェース アナログLine in/out:ピンジャック
Digital in/out:EIAJ準拠同軸および光
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 28W
外形寸法 幅430x高さ115x奥行330mm
重量 約7.5kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-D55A