解説　

DATデッキの高音質と多彩なテープオペレーションを引出すことを目的に開発されたDATデッキ。

A/D変換部に、サンプリング周波数を2倍に高めることでローパスフィルターの負担を軽減する2fs A/Dコンバーターと2fsデジタルフィルターの組み合わせを採用してます。これによりローパスフィルターに減衰特性の緩やかなものを使用できることから、群遅延特性や位相特性が改善され、より原波形を生かしたA/D変換が可能です。

D/Aコンバーターブロックには、リファレンス機DTC-1000ESと全く同じ4fsデジタルフィルター搭載の16ビットD/Aコンバーターを採用しており、さらにD/Aコンバーター自体もL/R独立させ、チャンネル間の位相ズレを追放しています。

メカニズム部には2D.D.+1BSLモーターメカニズムを採用しています。
これは、DTC-1000ESでも採用されている加工精度に優れ経年変化も少ない高硬質アルミ合金製のベースユニットに、キャプスタン用、ヘッドドラム回転用の2つのダイレクトドライブモーターを搭載したもので、テープ走行精度のポイントを押えながら、テイクアップ用とサプライリール用は1つのモーターを合理的に使用しています。

録音の際、あとどのくらい記録レベルに余裕があるかをdB単位でデジタル表示するデジタルピークマージン表示機能を搭載しています。

サブコード機能により、テープトップからの絶対時間を示すアブソリュートタイムの記録や、アブソリュートタイムを利用したタイムサーチ、スタートIDやスキップIDの記録、ID書き込みの際に微調整が可能なリハーサル機能、プログラムナンバー機能、テープの頭からナンバーを降りなおすリナンバー機能、スタートID/スキップID/プログラムナンバーをそれぞれ単独で消去できるイレース機能、リピート機能、全てのスタートIDを0.3秒ずつ前につけ直すシフトリナンバー機能を搭載しています。
また、リモコンによるRMSプレイも可能です。

光方式と同軸タイプの2方式を備えたデジタル入出力端子を搭載しています。

デジタル/アナログ/ディスプレイ部を分離し、さらにサブシャーシで補強した内部コンストラクションを採用しています。

テープ走行時間を示すカウンター表示、残量時間を示すリメイニング表示、演奏中の曲の経過時間を示すプログラムタイム、テープトップからの絶対時間を示すアブソリュートタイムの4モードに切替えできるリニアカウンターを搭載しています。

-60dB～0dB、各ch24セグメントのワイドレンジ・デジタルピークメーターを搭載しています。

FL管の発する微小なノイズにも配慮し、ディスプレイOFF機能を搭載しています。

約2倍速と約16倍速の2スピードによるキュー＆レビュー機能を搭載しています。

1度も録音したことがない未録音部を自動的に探すブランクサーチ機能を搭載しています。

テープを巻戻し後、すぐに再生を始めるオートプレイ機能を搭載しています。

カウンター0:00の位置まで巻戻し、再生するメモリープレイ機能を搭載しています。

別売りタイマーと組み合わせることで留守録音/目覚まし再生が可能です。

出力可変ヘッドホン端子を搭載しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格

型式	DATデッキ
チャンネル数	2チャンネルステレオ
サンプリング周波数	48kHz(録音/再生) 44.1kHz(再生のみ) 32kHz(Digital inのみ録音/再生)
量子化ビット数	16ビット直線
エラー訂正	ダブルエンコーデッドリードソロモンコード
エンファシス	プリエンファシス(録音時、アナログ入力に対して)offに固定 ディエンファシス(再生時)on/off自動切換
変調方式	8-10変換
周波数特性	2Hz～22kHz ±0.5dB
ダイナミックレンジ	90dB以上(録音時、エンファシスoff)
SN比	92dB以上(録音時、エンファシスoff)
全高調波歪率	0.007%以下
ワウ・フラッター	測定限界(±0.001% W.Peak)以下
インターフェース	アナログLine in/out:ピンジャック Digital in/out:EIAJ準拠同軸および光
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	38W
外形寸法	幅470x高さ115x奥行405mm
重量	約9.7kg
付属	ワイヤレスリモコン RM-N500