SONY DTC-300ES
¥110,000(1989年発売)
解説
ニュースタンダードモデルとして、音質にこだわって開発されたDATデッキ。
A/D部に、サンプリング周波数を2倍に高めることで、ローパスフィルターの負担を軽減する2fs
A/Dコンバーターと2fsデジタルフィルターの組み合わせを採用しています。コンバーター自身も聴感上の歪を改善した新開発チップを使用しており、さらに時間軸コントロールで位相補正しています。
また、D/Aコンバーターブロックには、4fsデジタルフィルター搭載の16ビットD/AコンバーターをL/R独立で採用しています。
さらに、A/D部とD/A部はそれぞれ専用基板に完全分離し、相互干渉を低減しています。
メカニズム部には2D.D.+1BSLモーターメカニズムをさらに改良して使用しています。
DTC-300ESでは、テープローディングにも専用2モーターを配し、信頼性が高く、操作フィーリングも優れたメカニズムが実現しています。
サブコード機能により、テープトップからの絶対時間を示すアブソリュートタイムの記録や、アブソリュートタイムを利用したタイムサーチ、スタートIDやスキップIDに加えエンドIDの記録、ID書き込みの際に微調整が可能なリハーサル機能、プログラムナンバー機能、テープの頭からナンバーを降りなおすリナンバー機能、スタートID/スキップID/プログラムナンバーをそれぞれ単独で消去できるイレース機能、全てのスタートIDを0.3秒ずつ前につけ直すシフトリナンバー機能を搭載しています。
光と同軸デジタルの2種類の入出力端子を各1系統搭載しています。
また、光入力はケーブルによるジッターを吸収するサーボ型のデジタル・シグナル・ノーマライザー回路を使用しています。
走行時間を示すカウンター表示、テープ残量時間を示すリメイニング表示、演奏中の曲の経過時間を示すプログラムタイム、およびテープトップからの絶対時間を示すアブソリュートタイムの4モードに切替えできるリニアカウンターを搭載しています。
BSチューナーや他のDATデッキからデジタル入力での録音中、信号が途切れても最大約10分間録音ポーズで待機します。これにより、タイマー録音時など、時間的に余裕を持って録音開始時間が設定できます。
メカニズム/デジタル/アナログ/ディスプレイ部を明確に分離し、さらにサブシャーシで補強した内部コンストラクションを採用しています。
-60dB~0dB、各ch24セグメントのワイドレンジ・デジタルピークメーターを搭載しています。
デジタルピークメーター表示の基になるデータはデジタル処理回路のデータを引用しています。
FL管の発する微小なノイズに配慮し、ディスプレイoff機能を搭載しています。
また、部屋の明るさや好みによってディスプレイの輝度を6段階変えられるディマー機能を搭載しています。
約2倍速と約16倍速の2スピードによるキュー&レビュー機能を搭載しています。
1度も録音したことがない未録音部を自動的に探すブランクサーチ機能を搭載しています。
別売りタイマーを組み合わせることで留守録音や目覚まし再生が可能です。
本体の殆どの操作に加えソニーのリモコン対応CDプレイヤーの選曲やポーズといった操作が可能なワイヤレスリモコンが付属しています。
さらに、本体とCDプレイヤー双方に向けて操作することで、本体の録音ポーズ解除に続いてCDの演奏をスタートさせるワイヤレスCDシンクロ録音が可能です。
機種の定格
型式 | DATデッキ |
チャンネル数 | 2チャンネルステレオ |
サンプリング周波数 | 48kHz(録音/再生) 44.1kHz(再生のみ) 32kHz(Digital inのみ録音/再生) |
量子化ビット数 | 16ビット直線 |
エラー訂正 | ダブルエンコーデッドリードソロモンコード |
エンファシス | プリエンファシス(録音時、アナログ入力に対して)offに固定 ディエンファシス(再生時)on/off自動切換 |
変調方式 | 8-10変換 |
周波数特性 | 2Hz~22kHz ±0.5dB |
ダイナミックレンジ | 90dB以上(録音時、エンファシスoff) |
SN比 | 92dB以上(録音時、エンファシスoff) |
全高調波歪率 | 0.0075%以下 |
ワウ・フラッター | 測定限界(±0.001% W.Peak)以下 |
インターフェース | アナログLine in/out:ピンジャック Digital in/out:EIAJ準拠同軸および光 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 29W |
外形寸法 | 幅430x高さ115x奥行330mm |
重量 | 約8.2kg |
付属 | ワイヤレスリモコン RM-D3000 |