オーディオの足跡

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CDP-X5000の画像
 解説 

ソニーの誇る技術を凝縮し、小型で高音質を追求したCDプレイヤー。

メカニズム部には光学系固定方式メカニズムを採用しており、光学ピックアップを強固なベース部に固定し、ディスク側を移動させる方式となっています。これによりピックアップの受ける振動を大幅に減らし、サーボに必要な電流はディスクの歪や偏心に対する補正を行う比較的ゆっくりとした動きだけにし、サーボ電流の変動を低減しています。
また、ディスク回転用モーターには回転ムラの少ないBSLモーターを使用し、モーターの軸受には高硬度で摩擦係数が少ないサファイアを採用することで高精度の回転性能を長期にわたって維持します。

CDP-X5000では光学系固定方式の良さを生かしつつ小型化を図るためトップローディング方式を採用しており、上面パネルの蓋を手でスライドさせてディスクをセットする設計となっています。
またメカニズムには内部に独自のフローティング構造を持たせており、シャーシに直接マウントすることでシンプル化と安定したドライブ性能を獲得しています。

サーボ回路にはハイプレシジョン・デジタルサーボを採用しており、演奏するディスクごとに光学ピックアップのサーボ量を調整することでディスクのコンディションをより的確に反映したサーボコントロールを可能にしています。

ファインドライブ回路を採用しており、ピックアップのドライブ回路を同相ノイズ成分の打ち消しが可能な±2電源方式によるバランスプッシュプルで構成することで、アースラインにノイズ成分が混入するのを低減しています。
また、デジタル回路基板を最小限の容積にまとめた上でオーディオ回路基板から分離し、メカデッキ部に配置することでオーディオ部への影響を少なくしています。

デジタルフィルターにはフル・フィードフォワード方式デジタルフィルターを採用しています。
こののデジタルフィルターでは、まずディスクから得たデータとデータの中間点に補完データを生成し、できたデータを用いて次の補完データを作るという2倍型デジタルフィルターを3段階連結した方式を採用しています。従来のデジタルフィルターではここで得られた演算結果の下位ビットを四捨五入して上位ビットだけを利用していましたが、この四捨五入による誤差が原因で再量子化ノイズが発生していました。
フル・フィードフォワード方式デジタルフィルターでは、四捨五入された下位ビットを別ルートで伝送してメモリーし、次段の演算結果と合成するFF(フルフィードフォワード)演算を行うことで、下位ビットのデータも反映したオーバーサンプリング演算を実現しています。これにより可聴帯域内での再量子化ノイズはほぼ完全に除去できており、レベルの小さい信号のクオリティを大きく向上させています。

D/A変換部にはカレント・パルスD/Aコンバーターを採用しています。
この方式では、安定した綺麗な電流源を用意し、パルス生成器の出力を利用してスイッチングすることで電流パルスを生成しています。これにより電圧を用いていた従来のパルスD/Aコンバーターで問題となった電圧変動の影響や、演算回路の電圧性ノイズの影響を排除しています。
また、パルスD/Aコンバーターの出力を差動合成するコンプリメンタリーPLMを採用しており、高調波歪を低減しています。

シャーシはモノボックス構造を採用しており、十分な厚みと強度を持たせたアルミとスチールを組み合わせた設計となっています。アルミとスチールという固有振動数の異なる素材の組み合わせによって互いに共振を打ち消し、高い制振効果を獲得しています。
また、フロントパネルには厚さ10mmのアルミ材を使用しており、高い剛性と高級感を持たせています。

脚部には偏心インシュレーターを採用しています。
このインシュレーターは取り付け穴の位置をセンターからオフセットした設計になっており、外部振動を相互に打ち消し合うことでシャーシへの振動伝搬を低減しています。穴の位置や直径については試作と試聴を繰り返して決定しており、特に聴感に影響を与える中高域の振動成分の減衰に効果を得ています。

ラインアンプ部にはDCサーボアンプを採用しており、信号経路からカップリングコンデンサーを排除することでコンデンサー特有のカラーレーションを無くし、しかも超低域まで安定した増幅を可能にしています。

一枚の基板に4階層の配線パターンを持つ4層構造のガラスエポキシ基板を採用しており、配線パターンを立体的に形成することで迂回配線を減らし、信号経路を短くすることで磁束や高調波成分に対して強くなっています。
さらにパーツの表面実装も積極的に採用しており、リード線を省くと共にパーツが宙に浮かないことで音圧などの振動に対して強い構造となっています。

電源部にはRコアトランスを採用しています。
このトランスはTA-F5000に搭載されたトーラストロイダルトランスと同じ設計思想で作られた小電力機器用トランスで、トランスの鉄芯を切れ目が無く断面が円形のドーナツ型にすることで磁束漏れと振動を大幅に減少させています。

デジタル出力は同軸、光、バランス型(XLR)の3系統を搭載しています。
これらの出力は個々にON/OFFができ、使用しない出力はOFFにすることでアナログ出力への影響を低減しています。

カスタムエディット機能を搭載しており、ピークサーチ、プログラムエディット、マニュアルフェーダー、可変フェードなどの機能を操作できます。

カスタムファイル機能を搭載しており、カスタムインデックスやデリートバンクなどの機能を操作できます。

シャッフルプレイやデリートシャッフル、ミュージックスキャン、オートスペース、タイマープレイ(オートスタート)、6モードリピート、インデックスサーチなどの機能を搭載しています。

ワイヤレスリモコンが付属しています。


CDP-X5000には専用の別売りアクセサリーとして2種類のCDスタビライザーとCDリッド(蓋)がありました。

CDスタビライザーSTB-A5000は黄銅にクロムメッキ処理を施したもので、ディスク接触面にはフッ素樹脂シート加工が施されています。このスタビライザーでは低域の量感や安定感、解像度を向上させる効果があります。また、大音量時の音の崩れが少なく、全体的にグレードアップ感が味わえます。

CDスタビライザーSTB-B5000は素材に米国デュポン社の樹脂含有強化無機材コーリアンを使用しています。このスタビライザーでは艶のある柔らかな音色が得られます。

CDリッドXLD-A5000はSTB-B5000と同様に樹脂含有強化無機材コーリアンを使用しています。重量があり剛性が高いため、大怨霊侍の音の崩れが少なく、大編成の音楽での表現力が向上します。
また、標準品のイメージに加えて音場の再現力や低域の厚み増強効果が得られます。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
D/Aコンバーター カレント・パルスD/Aコンバーター
デジタルフィルター フルフィード方式
周波数特性 2Hz~20kHz ±0.3dB
ダイナミックレンジ 100dB以上(EIAJ)
全高調波歪率 0.003%以下(EIAJ)
チャンネルセパレーション 100dB以上(EIAJ)
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ)
<アナログ出力>
端子形状 ピンジャック
最大出力レベル 2.5Vrms(50kΩ)
負荷インピーダンス 1kΩ
<Coaxialデジタル出力>
端子形状 同軸コネクター
最大出力レベル 0.5Vp-p(75Ω)
負荷インピーダンス 75Ω
<Opticalデジタル出力>
端子形状 光出力コネクター
最大出力レベル -18dBm
発光波長 660nm
<Balancedデジタル出力>
端子形状 XLR-3-32タイプ(平衡)
最大出力レベル 5V(50kΩ)
負荷インピーダンス 600Ω
<総合>
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 18W
補助電源コンセント 電源スイッチ連動:2系統、合計100W
外形寸法 幅280x高さ90x奥行370mm
重量 約6.0kg
付属 スタビライザー
ワイヤレスリモコン RM-DX5000
オーディオ接続コード
電源コード変換アダプター(3極→2極)
別売 CDスタビライザー STB-A5000(¥7,000)
CDスタビライザー STB-B5000(¥4,000)
CDリッド XLD-A5000(¥14,000)