オーディオの足跡

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CDP-MS1の画像
 解説 

デジタルイコライザーや可変デジタルフィルターで音のチューンナップが可能なCDプレイヤー。

3バンドのデジタルイコライザーを搭載しています。
この回路ではディスクから信号を読み取った直後にデータを24ビット化しており、Bass、Mid、Trebleをそれぞれ独自に調整できる3バンドのパラメトリックイコライザーで音質調整できます。BassとTrebleはシェルビング型、Midはピーキング型となっています。ピーキング型のMidはスロープ(Q値)もW(ワイド)、M(ミッド)、N(ナロー)の3段階から選択でき、3バンドを組み合わせてチューニングすることでアナログのグラフィックイコライザーを上回る細かな音質バランスの調整が可能です。
チューニングは付属のリモコンを使ってリスニングポジションから調整できます。

デジタルフィルターには24ビット可変デジタルフィルターを搭載しています。
可変デジタルフィルターでは遮断特性や位相特性の異なる複数の計算式を登録することで、好みに応じてフィルター特性を選ぶことができます。
CDP-MS1では新開発のデバイスVC24を用いることで24ビット処理を実現しており、演算語調の大幅拡大に加え演算スピードの高速化や、係数の拡張も同時に行うことでデジタルフィルターとしての処理能力を飛躍的に高めています。ポジションは全部で4種類が選べ、シャープロールオフ特性のスタンダードポジションに加え、スローロールオフ特性のNo1クリアー、No2プレーン、No3ファインが選べます。

デジタルイコライザーのチューニングデータと24ビット可変デジタルフィルターの選択ポジションはディスク500枚分までプレイヤーのカスタムファイル機能で記憶できます。
ディスクをセットするだけで記憶させた設定がメモリーから呼び出され、チューニング済みの状態で再生できます。

D/A変換部にはカレント・パルスD/Aコンバーターを搭載しています。
この方式では安定した電流源を用意し、パルス生成器の出力を利用してスイッチングすることで電流パルスを生成しています。電流パルスは電圧変動とは無縁なため演算回路の電圧性ノイズの影響を受けません。

メカニズム部にはトップローディング方式の光学系固定方式メカニズムを採用しており、ディスクを上面パネルの蓋をスライドさせて装着し、スタビライザーで固定する構造となっています。
セットしたディスクと蓋、およびシャーシの位置関係も平行ではなく、それぞれ異なる角度に設計することで共振を排除しています。

サーボ回路にはハイプレシジョン・デジタルサーボを採用しており、演奏するディスクごとに光学ピックアップのサーボ量を調整することでディスクのコンディションをより的確に反映したサーボコントロールを実現しています。

シャーシにはASC(Anti Standing-wave Construction)構造を採用しています。
この方式ではシャーシの各面だけでなく、内部の基板までもスラントマウント基板としており、平行面を排除しています。これにより音波などの振動が平行面を繰り返し反射することで発生する定在波を抑えています。

電源部には磁束漏れと振動を大幅に減らしたRコアトランスを採用しており、電源部で発生する歪を低減しています。

脚部には偏心インシュレーターを採用しています。
このインシュレーターはシャーシの取り付け穴の位置をセンターからオフセットした構造となっており、外部から伝わる振動を相互に打ち消し、シャーシに伝わる振動を低減しています。

ファインドライブ回路を採用しており、ディスク回転系及び光学ピックアップのドライブ回路を同相ノイズの打ち消しが可能なバランスプッシュプルで構成することでアースラインへのノイズ混入を防いでいます。
さらにデジタルミニマム基板を採用しており、デジタル回路基板を最小限の容積にまとめた上でオーディオ回路基板から分離し、メカデッキ部に配置することでオーディオ部への影響を低減しています。

ディスプレイ部には表示に変化の無い部分は点滅しないスタティック点灯FL管を採用しており、表示部で発生するノイズを低減しています。

シャッフルプレイやデリートシャッフルなどの豊富な機能を搭載しています。

3段階音量切替式のヘッドホン端子を背面に搭載しています。

光、同軸、バランスの3種類のデジタル出力を搭載しています。
これらの端子からはデジタルイコライザーによる音質調整後の信号を出力することも可能となっています。また、使用しないデジタル出力はOFFにすることができ、アナログ出力や他のデジタル出力への干渉を防ぐことができます。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 CDプレイヤー
D/Aコンバーター カレント・パルスD/Aコンバーター
デジタルフィルター 可変デジタルフィルター
周波数特性 2Hz~20kHz ±0.3dB
ダイナミックレンジ 100dB以上(EIAJ)
全高調波歪率 0.003%以下(EIAJ)
ワウ・フラッター 測定限界(±0.001%W.peak)以下(EIAJ)
デジタル出力 光:-18dBm(発光波長660nm)
同軸:0.5Vp-p/75Ω
バランス:5V/50kΩ
アナログ出力 可変:2.1Vrms~0.5Vrms
ヘッドホン出力 28mW(32Ω負荷)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 18W
外形寸法 幅430x高さ125x奥行260mm
重量 約7.5kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-MS1
 
可変デジタルフィルターのポジションとその概要
ポジション 遮断特性 音の印象
シャープロールオフ
スタンダード 情報量が最も多く、広いレンジ感と空間表現が特徴。
クラシック等の再生に好適。
スローロールオフ
No1
クリアー
滑らかなタッチでしかもエネルギー感があり、音像定位が明瞭。
ジャズバンド、ジャズボーカルなどに好適
No2
プレーン
鮮度が高くエネルギッシュで、特にボーカルの艶めかしさの表現力が豊か。
ボーカル主体の音楽に好適。
No3
ファイン
バランスのとれた自然な音で、しかもスケール感があり、残響表現が豊か。
音楽のジャンルを問わずリラックスした気分で楽しむ時に好適。
デジタルイコライザーの可変範囲
Bass 可変レベル
±6.0dB
ターンオーバー周波数
50Hz~560Hz
Mid 可変レベル
±6.0dB
ターンオーバー周波数
90Hz~10.0kHz
Treble 可変レベル
±6.0dB
ターンオーバー周波数
1.4kHz~14kHz
Output 可変レベル
-9.0~+3.0dB