SONY TA-V909
¥99,800(1997年発売)
解説
デジタルシネマサウンド技術を搭載したドルビーデジタルプロセッサー内蔵のAVアンプ。
ドルビーデジタルのデコード処理を行うDSPには24ビットDSPを採用しています。
これによりDVDプレイヤーのデジタル出力と接続してドルビーデジタルのデコードと増幅が行えます。
ドルビーデジタルのバス・リダイレクション機能に対応しており、低域を他のスピーカーに振り分けることができます。これにより低域が不足しがちな小型スピーカーを使用した場合でもサブウーファーなどに低域成分だけを担当させることで迫力のあるサラウンド再生が可能です。
低域抽出のためのクロスオーバーネットワーク処理はデジタル段階で24ビット処理のDSP内部で行われます。
ソニー独自のサラウンド技術であるデジタルシネマサラウンドによるシネマスタジオ・モードとバーチャル3D・モードを搭載しています。
シネマスタジオ・モードはソニー・ピクチャーズエンタテインメントの持つスタジオの中から選ばれたタイプの異なる3つのスタジオの音響効果を楽しめます。
バーチャル3D・モードでは映画館ならではの音場を3次元音響テクノロジーを駆使してより積極的に創り出すことができます。沢山のリアスピーカーに囲まれた感覚が楽しめるバーチャル・マルチリア、映画館のような広い音場感が得られるバーチャル・リアシフト、フロント側のスピーカーだけでリアの音を再生するバーチャル・エンハンスドサラウンドA/Bの各モードを搭載しています。
デジタルシネマサウンドのサラウンドモードのほか、コンサートホールやライブハウスの音場を再現するためのモードなどを含め合計で29プログラム56モードのサラウンドモードを搭載しています。
また、プリセットされたモードをベースに各種パラメータを調節して好みにチューンアップすることもできます。
D/A変換にはフルフィードフォワード方式デジタルフィルターとアドバンストパルスD/Aコンバーターを搭載しています。
フル・フィードフォワード方式デジタルフィルターでは従来四捨五入で切り捨てられていた下位ビットを別ルートで伝送してメモリーし、次段の演算結果と合成するフルフィードフォワード演算を行うことで、下位ビットのデータも反映したオーバーサンプリング演算を実現しています。これにより可聴帯域内での再量子化ノイズをほぼ完全に除去しています。
TA-V88ESではアドバンストパルスD/Aコンバーターをフル・フィードフォワード方式デジタルフィルターとともに1つのLSIにまとめており、より安定した動作を実現しています。
デジタル領域で高音/低音の音質調整ができるデジタルイコライザーをフロント/センター/リアの各チャンネルそれぞれ独自に搭載しています。
フロントL/R、センター、リアL/Rのアンプを揃えたダイナミック5アンプシステムを採用しており、より迫力のあるサラウンド再生を可能にしています。
パワー段にはNPN型素子とPNP型素子をそれぞれ2個ずつ同じプレート上に配置したパラレルトランジスターを採用しています。これにより温度環境を揃え、増幅特性を一致させています。また、素子を乗せるプレートもサイズの大きなタイプを使用しており、温度の急変を防ぐスタビライザーとして機能させることで安定度を高めています。
電源部にはラップ詰めコアを採用した大型トランスを採用しています。
通常のEIコアトランスではE形とI形の磁性鋼板をそれぞれ個別に積層したあとに合体(溶接ないし接着)してコアとしていましたが、E形とI形の磁性鋼板をそれぞれ交互に積むラップ詰め構造を採用することで磁路に断層的に切れている部分がなくなり、磁束の漏れを低減しています。
また、電解コンデンサーにも電気的な特性だけでなく音響的にも試聴を繰り返して厳選したピュアオーディオ用の大容量・大型タイプを搭載しています。
ヒートシンクには有害なフィンの鳴きを抑えるようにチューニングされたアルミ押し出し材使用の高剛性大型ヒートシンクを採用しています。また、ヒートシンク自体もシャーシ本体に強固に固定することで構造的にも振動を低減しています。
脚部には偏心インシュレーターを搭載しています。
偏心インシュレーターではセンター位置を避けてビス穴を設けた構造となっており、振動の位相を変えることで打ち消してシャーシに伝わるのを低減しています。
AC-3 RF入力を搭載しており、ドルビーデジタル対応のレーザーディスクでRF信号に変換されて記録されているドルビーデジタル音声に対応しています。
ベースブースト機能を搭載しており、ワンタッチで低音の迫力を増すことができます。
ダイレクトパススイッチを搭載しており、サラウンドやトーンコントロール、ベースブースト回路を必要に応じてバイパスできます。
カーソルキーによるシンプルなメニュー操作を採用しており、操作性向上を図っています。
別売りのワイヤレススピーカーSA-IF70と組合せられる専用端子を搭載しており、リアスピーカーとしてSA-IF70を利用できます。
学習機能付きのワイヤレスリモコンが付属しています。
機種の定格
型式 | AVアンプ | ||
実用最大出力(EIAJ、6Ω) | フロント:150W+150W センター:150W リア:150W+150W |
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全高調波歪率(20Hz~20kHz) | フロント:0.09%以下(6Ω負荷、90W+90W出力時) | ||
周波数特性 | Line:10Hz~50kHz +1 -3dB(ダイレクトパスON時、アナログ系) | ||
SN比(Aネットワーク) | Line:82dB(ダイレクトパスON時) | ||
サラウンドモード | 29プログラム56モード(下記サラウンドモード一覧参照) | ||
ドルビープロロジックインプットバランス | オート | ||
トーンコントロール | フロント、センター、リア独立 Bass:±10dB(中心周波数90~992Hz) Treble:±10dB(中心周波数1.0k~8.6kHz) 増減ステップ:0.5dB |
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映像系機器(音声&映像)入力 | 5系統 | ||
映像系機器(音声&映像)出力 | 2系統 | ||
映像モニター出力 | 1系統 | ||
S映像入力 | 3系統 | ||
S映像出力 | 1系統 | ||
S映像モニター出力 | 1系統 | ||
デジタル入力 | 光:4系統 同軸:1系統 AC-3 RF:1系統 |
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デジタル出力 | 光:1系統 | ||
オーディオ入力 | Phono MM:1系統 Line:4系統 |
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オーディオ出力 | Rec out:2系統 サブウーファー:2系統 ヘッドホン:1系統 |
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ACアウトレット | 電源スイッチ連動:2系統 | ||
電源 | AC100V、50Hz/60Hz | ||
消費電力 | 217W | ||
外形寸法 | 幅430x高さ155x奥行360mm | ||
重量 | 約12.7kg | ||
付属 | 学習機能付きリモコン RM-P501 | ||
TA-V909に搭載されたサラウンドモード
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