SONY TA-P7F
¥69,800(1978年11月1日発売)
解説
マイクロコンポーネントPRECISEコンポのコンパクトプリメインアンプ。
小型・高性能化に有効なデバイスを搭載することで、コンパクトかつハイクロイティを追求しています。
オーディオ用に開発したヒートパイプを用いることで、基板に取り付けられたパワートランジスタをダイレクトに冷却することができ、歪率特性やSN比を改善しています。
また増幅素子には、高域スイッチング歪率が少なく、周波数レンジとダイナミックレンジが大きいなどの特徴を持つHi-fTトランジスタを採用しています。
ファンクションスイッチ、モニタースイッチ用にソリッドステートスイッチを新開発し、採用しています。
このスイッチは、DC制御によって信号のON/OFFを動作させる半導体スイッチで、アンプ内部リモートコントロール化が可能となり、信号系の線材を大幅に減らす事に成功しています。
電源部にはパルス電源(Pulse Power Supply)を搭載しています。
パルス電源は従来の電源とは異なり、電子回路で構成されているため、小型化が可能となっています。また、電源電圧がほとんど変動しないためレギュレーションが良く、有害なハムの発生を抑えられます。
イコライザーアンプ部は、FETとローノイズトランジスタを組み合わせ等価雑音抵抗を下げることにより、高SN化を図ってます。
また、パルス電源採用とあいまって、ハイゲインアンプ化が可能となりMCカートリッジにも対応しています。
ピークパワーインジケーターを採用しており、0/0.5W/5W/50W(8Ω時)と出力の目安がわかります。
小型スピーカーの低域補正ができるアコースティックコンペンセータースイッチを採用しています。
バスブースト1で150Hz、6dB/oct、バスブースト2で300Hz、6dB/oct補正ができます。
ラウドネスコントロールスイッチも搭載しています。
機種の定格
型式 | ステレオプリメインアンプ |
回路方式 | プリアンプ部:NF型イコライザーアンプ、MCカートリッジ対応 パワーアンプ部:ピュアコンプリメンタリーSEPP DCパワーアンプ 電源部:パルス電源(PPS) |
<パワーアンプ部> | |
実効出力 | 50W+50W(8Ω、両ch駆動、20Hz~20kHz、歪率0.01%) |
出力帯域幅(IHF) | 5Hz~35kHz |
高調波歪率(実効出力時) | 0.01%(20Hz~20kHz) 0.007%(1kHz) |
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) | 0.01%(実効出力時) |
周波数特性 | 5Hz~70kHz +0 -1dB |
ダンピングファクター | 35(8Ω、1kHz) |
適合スピーカーインピーダンス | 8Ω~16Ω |
<プリアンプ部> | |
入力感度/インピーダンス | Phono1 MM:2.5mV/50kΩ Phono2 MC:0.25mV/100Ω Tuner、Aux、Tape:150mV/50kΩ |
SN比(Aネットワーク) | Phono1 MM:85dB Phono2 MC:70dB Tuner、Aux、Tape:100dB |
出力レベル/インピーダンス | Rec Out:150mV/10kΩ |
Phono最大許容入力 | Phono1:120mV Phono2:0.12mV |
周波数特性 | Phono1、2:RIAA偏差 ±0.2dB Tuner、Aux、Tape:3Hz~70kHz +0 -1dB |
トーンコントロール | Bass:60Hz±10dB(ターンオーバー周波数:300Hz) Treble:25kHz±10dB(ターンオーバー周波数:5kHz) |
フィルター | Low:20Hz、6dB/oct |
<総合> | |
使用半導体 | トランジスタ:28個 FET:4個 IC:9個 ダイオード:47個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 83W |
電源コンセント | 電源スイッチ連動:1系統、100W 電源スイッチ非連動:2系統、100W |
外形寸法 | 幅215x高さ80x奥行330mm |
重量 | 3.7kg |