オーディオの足跡

ハイレゾ音源配信 e-onkyo music

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 解説 

ニューESシリーズのフラッグシップモデルとして発表されたプリメインアンプ。

電源部をシャーシの中央に据え、その両側に左右のパワーアンプを配置するツインモノラルコンストラクションを採用しています。
チャンネル間でクロストークが発生しやすいパワーアンプを、ヒートシンクごと左右独立のモノラルアンプのように分離することで、良好なチャンネルセパレーションを実現しています。

小信号を扱うプリ部に対して、大電流のパワー部と電源部が与える影響を考慮し、シャーシ内をビームで仕切る2BOXセパレート構造を採用しています。

増幅回路は、入力段のカップリングコンデンサーを不要にするジャンクションFETにはじまり、電圧増幅段(Aクラス段)、ドライブ段のMOS FET、ファイナル段のパワーMOS FETまで、全てオーディオ専用の非磁性FETを採用したオールFET構成となっています。
MOS FETは、入力インピーダンスが高いためドライバー段と出力段を電気的に分離でき、互いの干渉を少なくできます。これにより比較的シンプルな回路構成で高音質が得られ、耳につきやすい奇数次歪を抑制できるという利点を合わせ持っています。

MOS FETの優れた特性を生かすため、ニューESアンプはMOSエクスクルーシブデザインを採用しています。
この回路では、バイアス回路の温度特性と電流増幅段のMOS FETの温度特性が一致しない場合に発生するアイドリング電流の変化を抑えるため、バイアス回路にMOS FETと同じ温度特性を持つオプティカル素子を追加したオプティカルバイアスサーキットと呼ばれる構成になっています。これにより、アイドリング電流を一定に保ち、オーディオ信号のより安定した増幅を実現しています。
また、バイアス回路のバイパスコンデンサーを大容量化してインピーダンスを下げることにより、豊かな低域を得ています。

電源部のトランスには新開発のトーラストロイダルトランスを採用しています。このトランスでは、従来のトロイダルトランスでは四角形であったコア断面を楕円形にすることにより、コイルの密着性を向上させています。これにより、より効率を高めるとともに振動の発生を大幅に低減し、オーディオ信号への影響を少なくしています。また、コイルの全長が短くなるためインピーダンスが下がるという特長も持っています。

電源部にはアドバンストS.T.D..(Spontaneous Twin Drive)電源を採用しています。
従来のS.T.D.電源では、電圧増幅段(Aクラス段)と電力増幅段(Bクラス段)それぞれ専用に、整流回路から分離・独立して電源を供給する構成を採用しています。これにより、大出力時にも電力増幅段の電源電圧の変化が、電圧増幅段の電源に悪影響を与えず、音質改善を実現しています。
アドバンストS.T.D.電源はこれをさらに発展させたもので、電圧増幅段にインダクションコイルを加えて整流時の電圧変動を低減するとともに、大容量コンデンサーを搭載することで、瞬間的な大電流の供給にも対応しています。これにより中高域の音質と聴感上のSN比、ダイナミックレンジを改善しています。

新採用のピュアインプットサーキットを採用しています。この回路では、入力端子からインプットセレクターを経てマスターボリュームに至るまでの信号系路上のスイッチを従来の半分以下にまで大幅に削減しており、信号の劣化を抑えています。また、同じ理由からミューティング回路も信号系路上に接点を設けない方式としています。
さらに、各入力端子からの信号は、従来は全てRec outセレクターに送られていましたが、Rec outセレクターで選ばれたソース以外の回路を入力端子の直後で解放するこで、より信号の純度を高く保っています。

TA-FA7ESでは、XLRタイプのバランス入力端子を搭載しています。この入力では、正相と逆相のオーディオ信号を同時に伝送することで、伝送系に混入するノイズ成分をキャンセルできます。
さらに、バランス入力回路にはメタルコア・モジュールを採用しています。この基板には、熱伝導性に優れたアルミ合金性のメタルコア(金属基板)に耐熱絶縁処理を施したうえで、銅の回路パターンを形成し、そこに部品を表面実装する方式を採用しています。これにより部品のリード線を省略して接点を減らし、バランス伝送による信号の純度を保っています。

左右各チャンネル独立のアルミ製大型ヒートシンクを搭載しています。これによりシャーシ内温度の左右バランスを保ち、良好なセパレーション特性を得ています。
さらに、TA-FA7ESでは、このヒートシンクをフッ素加工し、ヒートシンク自身の共振を抑える事によりシャーシ内部から発生する振動の低減を図っています。

シャーシ構造にはFBシャーシを採用しています。FBシャーシでは、十分な強度と厚みを持ったメタル材を使用しており、シャーシ全体を一つの箱として強固に構成しています。さらに、外周を取り囲むフレームと前後左右に渡したビームはそれぞれ異なる形状と大きさを持たせ、ネジにより組み合わされています。これにより、異なる振動モードを持つフレームとビームの組み合わせになるため、シャーシ内外の振動を大幅に減衰できています。
さらに、電源部とヒートシンクを中央部のベースビームに固定することにより、良好な重量バランスと強度を確保しています。

インシュレーターには偏心インシュレーターを採用しています。このインシュレーターでは、ビス穴を中心からオフセットすることにより、円周上の各方向からビスに伝わる振動の位相を変え、シャーシに伝わる振動の相互打消しを図っています。形状は試作品により音質を検討した結果、直径を従来より小さめの50mmとしています。
さらに、TA-FA7ESでは鋳鉄製のものを採用しています。

ボリュームには、低歪の印刷抵抗や、非磁性・金メッキ処理がされた摺動子ブラシを採用した高音質ボリュームを使用しています。

出力段には、スイッチング歪やクロスオーバー歪を低減し、さらに実使用再生レベルでも低歪化を図るスーパーレガートリニア方式を採用しています。

ローノイズFETを採用したフォノイコライザーアンプを内蔵しています。

ACラインからのノイズ混入を抑えるESフィルターを搭載しています。

プリ出力端子を搭載しています。

ゴールドとブラックの2種類のバリエーションがありました。

ワイヤレスリモコンが付属しています。

機種の定格
型式 プリメインアンプ
実効出力(20Hz〜20kHz) 120W+120W(4Ω)
100W+100W(6Ω)
80W+80W(8Ω)
入力感度/インピーダンス Phono MM:2.5mV/50kΩ
Phono MC:170μV/100Ω
Line系:150mV/50kΩ
出力レベル/インピーダンス Rec out:150mV/1kΩ
Headphone:25mW(8Ω)
全高調波歪率 0.008%(10W出力時、8Ω)
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1) 0.008%(定格出力時、8Ω)
周波数特性 Phono MM:20Hz〜20kHz ±0.2dB
Line系:2Hz〜100kHz +0 -3dB
SN比 Phono MM:87dB
Phono MC:70dB
Line系:105dB
トーンコントロール Bass:±7dB(100Hz)
Treble:±6dB(10kHz)
付属機能 ソースダイレクトスイッチ
Rec out off
Rec outセレクター
リモートコマンダー
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 230W
外形寸法 幅430×高さ175×奥行450mm
重量 約19.8kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-J350