解説　

CDダイレクト機能を搭載したプリメインアンプ。

プリアンプ部とパワーアンプ部、左右アンプ部の合計4つのアンプ部を電気的に独立させたオーディオ・カレント・トランスファ方式を採用しています。
この方式では、プリアンプ部とパワーアンプ部の間に新たにカレント変換アンプを挿入し、電圧信号として出てくるプリアンプ部の出力を電流信号に変換、その後カレント変換アンプ終段に設けられたリニアゲインコントロール方式アッテネーターにより、改めて電圧信号に戻すという構造になっています。
これにより、従来の電圧信号→電圧信号という伝送方法では避けられなかった、スイッチやコネクターの接触抵抗、線材の持つ固有インピーダンスなど、音を汚していた要素の影響を殆ど無視できています。さらに、パワーアンプ部から見たプリアンプ部の出力インピーダンスはほぼ無限大となり、電気定に見て切り離されたのと同等の結果が得られ、独自に性能向上が図れています。

パワーアンプ部にはレガートリニア方式が採用されています。
この方式では、バイアス値の移動や電源電圧値の変化という手法を採用せずに、オーソドックスで回路的にもシンプルな固定バイアス方式を用いながら、スイッチング歪やクロスオーバー歪などの動的歪を低減しています。
動的歪は、使用する増幅素子の動作領域が狭く、高域での応答スピードが遅いために発生します。これを改善するため、動作領域を広く、応答スピードを速くしたHi-ftトランジスタを採用しており、極小カットオフ領域で働かせることで、超高域までスイッチング歪が観測されない特性を実現しています。

ボリュームには、オーディオ・カレント・トランスファ方式で使用可能になったリニアゲインコントロール方式アッテネーターを採用しています。このボリュームでは、ゲインを絞るほどにインピーダンスが低下する変化カーブを描き、通常の可変抵抗器を使用した場合に比べて実使用状態でのSN比が大きく改善されています。

CDダイレクト機能を搭載しています。この機能をONにすると、ファンクション/テープモニター/サブソニックフィルター/グラフィックイコライザースイッチ/トーンコントロール回路をジャンプし、よりダイレクトな音が楽しめます。

DEFEATポジションつきのトーンコントロールを搭載しています。

グラフィックイコライザー接続用入出力端子や、フロントパネル優先のAUX/TV入力端子を搭載しています。

電源部用の大容量電解コンデンサーや、ハイスピード整流ダイオードを採用しています。

電源コードには極性表示付き無酸素銅線を採用しています。

MCカートリッジ対応ハイゲインイコライザーを搭載しています。

サブソニックフィルターを搭載しています。

スピーカーON/OFFスイッチを搭載しています。

機種の定格

型式	プリメインアンプ
回路方式	カレントドライブ・インテグレーテッド・ステレオアンプ ローノイズ・ハイゲインイコライザーアンプ ブリッジバランス型カレント変換アンプ 全段直結ピュアコンプリメンタリーSEPP OCLレガートリニアアンプ FETバッファ電源
実効出力	100W+100W(1kHz、両ch動作、高調波歪率0.008%、6Ω) 80W+80W(20Hz～20kHz、両ch動作、高調波歪率0.008%、8Ω)
出力帯域幅	5Hz～50kHz(40W出力、高調波歪率0.02%、8Ω)
高調波歪率	0.008%以下(定格出力時、20Hz～20kHz、8Ω)
混変調歪率	0.008%以下(定格出力時、8Ω、60Hz:7kHz＝4:1)
ダンピングファクター	50(1kHz、8Ω)
周波数特性	Phono:RIAAカーブ ±0.2dB Tuner、Aux、CD、Tape、Graphic EQ:5Hz～150kHz +0 -3dB
SN比	Phono MM:86dB Phono MC:75dB Tuner、Aux、CD、Tape、Graphic EQ:98dB
入力感度/インピーダンス	Phono MM:2.5mV/50kΩ Phono MC:170μV/100Ω Tuner、Aux、CD、Tape、Graphic EQ:150mV/50kΩ
出力レベル/インピーダンス	Rec out:150mV/4.7kΩ Speaker:適合インピーダンス6Ω～16Ω Headphone:24mW/8Ω Graphic EQ:150mV/4.7kΩ
トーンコントロール	Bass:±10dB(60Hz、ターンオーバー周波数300Hz) Treble:±8dB(25kHz、ターンオーバー周波数5kHz)
サブソニックフィルター	15Hz以下、6dB/oct
電源	AC100V、50Hz/60Hz
消費電力	140W
外形寸法	幅430x高さ130x奥行365mm
重量	11kg