SONY TA-1080
¥69,000(1965年頃)
解説
TA-1120の姉妹機として発売されたオールシリコントランジスタステレオプリメインアンプ。
温度に強く、高域特性の良いシリコン・トランジスタを全てに使用しており、これらのトランジスタをソニーが永久保障していました。
回路構成はインプットトランスもアウトプットトランスも使用しない完全OTLアンプを採用しています。
この回路では、超低域雑音によるスピーカーのオーバースイングを防止する必要があるため、約5Hzに谷を持つツインTフィルターで超低域をカットしています。
スピーカーとの結合に使用する大容量コンデンサにより、電源の入切時に不快な雑音が出るのを防止するため、スピーカー端子を短絡して音が出ないようにするミューティング回路を搭載しています。
イコライザー部は、低雑音シリコン・トランジスタ2SC401の3段直結アンプによるNF型イコライザーを採用しています。
3段目をエミッタ・ホロワーにし、NFループのインピーダンスが高域で低下しても充分なゲインがあるため、高域の直線性が優れ、歪の少ない特性を実現しています。
クイックアクセスセレクターを搭載しており、TunerとPhonoをワンタッチで選べます。また、他の入力のうち1つをプリセットしておけばこれら3つがレバーにより選択出来ます。
これにより、あまり使用しない入力を飛ばす事ができ、不快なノイズを防止できます。
高域と低域が左右別々にコントロールできる連続可変型トーンコントロールを採用しています。
また、つまみがどの位置にあっても、フラットの状態に出来るトーン・キャンセルスイッチを搭載しています。
NF型と抵抗減衰型を組み合わせた音量調整方法を採用しています。
この方法により音量を絞った時のS/Nを改善しています。
SCRを使用した保護回路を搭載しています。
機種の定格
型式 | オールシリコントランジスタ・ステレオプリメインアンプ | ||||
回路方式 | 準コンプリメンタリーSEPP OTL回路 | ||||
出力 | ノンクリップ・ミュージックパワー:100W(8Ω、両ch動作) ミュージックパワー(IHFM規格):90W(8Ω、両ch動作)
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歪率(IHFM規格) |
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混変調歪率(SMPTE規格、 70Hz:7kHz=4:1) |
0.4%以下(定格出力) 0.2%以下(10W出力) |
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周波数特性 | パワーアンプ部:15Hz~100kHz +0 -1dB(定格出力時) Tuner、AUX、Tape:30Hz~100kHz +0 -2dB(30Hz以下ローカット) Phono1、2:30Hz~15kHz ±0.5dB(RIAAイコライザによる平坦補正特性) Tape Head:30Hz~15kHz ±0.5dB(NABイコライザによる平坦補正特性) |
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ダンピングファクター | 40以上(8Ω) | ||||
残留雑音 | 0.1μW(8Ω)以下 | ||||
S/N比 (IHFクローズドサーキット) |
AUX、Tuner:80dB以上 Phono1、2:70dB以上 Tape Head:60dB以上 (ASA・Aカーブによる聴感補正) |
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入力感度/インピーダンス |
Tuner、AUX:120mV/100kΩ以上(半固定にて調整可能) Tape :120mV/100kΩ以上 |
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出力レベル | Rec Out:120mV | ||||
使用半導体 |
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電源 | AC100V(117V、220V、240Vに切換可能)±10%、50Hz/60Hz | ||||
電源コンセント | 合計300W 電源スイッチ連動:2系統 電源スイッチ非連動:1系統 |
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消費電力 | 無信号時:約20W 定格出力時:約170W |
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外形寸法 | 幅400x高さ145x奥行310mm | ||||
重量 | 約11kg | ||||
付属 | ショートプラグ ピンプラグ シリコンクロス 5Aヒューズ |
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別売 | ユーラシアンチーク仕上げウッドケース TAC-1(¥4,600) マウント金具 MB-5(¥2,800) |