SHARP CP-F401
¥43,000(1台、1985年頃)
解説
マイカ平面スピーカーを採用したブックシェルフ型スピーカーシステム。
CP-F401では振動板のスキン材に天然マイカを採用しています。
スピーカーの理想に近い特性が得られるマイカを粉砕し、薄く再結晶させた修正タイプとすることでスキン自体の共振を抑えるとともに剛性を高めています。
また、振動板の構造には剛性の高いハニカム構造を採用しており、ハニカムを真いかとアルミのスキンでサンドイッチすることでコーン紙に比べて軽さと強度を向上させています。また、平面型とすることでコーン型スピーカーの窪み内で生じていた前室効果による周波数の乱れを低減しています。
低域には360cm2角型平面ウーファーを搭載しています。
磁気回路にはコンピューターによる磁場解析システムを用いて設計された磁気回路を採用しています。さらに磁気回路からの漏れ磁束を正確に計算し、漏れ磁束を地磁気と同じレベルまで低減させた防磁設計としています。
マグネットには直系100mm、重量660gのストロンチウムマグネットを採用しています。コンピューターを用いた有限要素法による高効率設計によって12,000gaussの磁束密度と91dB/W/mの能率を実現しています。
ダンパーには柔軟でかつ安定性の高い素材を採用しています。
高域には20cm2角型平面ツィーターを搭載しています。
このユニットでは磁性流体を採用しており、放熱効果を高めてデジタルソースのダイナミックな高域にも対応する連続60Wの高耐入力と、急激なパワー変動に対応する高いダンピング特性を実現しています。
また、ツィーター前面にはコンピューター評価法に基いて設計されたディフューザーを搭載し、指向特性を改善しています。
ネットワーク設計やクロスオーバー周波数の設定にはコンピューター解析データを基本に各ユニットの音の繋がりを滑らかにしています。
また、内部配線には無酸素銅線を採用しています。
高域用に可変型レベルコントロールを搭載しています。
ユニット配置やエンクロージャーの設計にもコンピューターを導入しています。
スピーカーシステムを軸にリスニングポジション67ポイントで音圧測定し、このデータをコンピューターで解析することでユニットの適切な配置を決定しています。
エンクロージャーにはバスレフ方式を採用しています。また、ラウンド構造を採用することで定位の改善を図っています。
機種の定格
方式 | 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型・防磁設計 |
使用ユニット等 | 低域用:360cm2平面型 高域用:20cm2平面型 |
再生周波数帯域 | 40Hz~38kHz |
定格入力 | 60W |
最大入力 | 120W |
インピーダンス | 6Ω |
音圧レベル | 91dB/W/m |
クロスオーバー周波数 | 2kHz |
レベルコントロール | 高域用、連続可変 |
内容積 | 37リットル |
最大外形寸法(EIAJ) | 幅290x高さ520x奥行340mm |
重量 | 約12.2kg |