SHARP SM-SX100
※受注生産品
¥1,000,000(1999年8月発売)
解説
1998年10月にオーディオエキスポにて公開された1ビットアンプの試作機を基に、ハイエンドオーディオ仕様へと昇華させて誕生した1ビットアンプ。
1ビットアンプの動作原理は、アンプの動作方式の一つであるクラスD方式を発展させたものとなっています。
クラスD方式では、高電圧をスイッチングし、ON状態の時間を制御することによって音声信号を増幅しており、スイッチングを制御する信号として時間軸にアナログ的な幅を持つPWM信号が用いられています。
1ビットアンプSM-SX100では、これを発展させスイッチングを制御する信号に、純粋なデジタル信号である1ビット信号を適用し、これを制御信号として、定電圧電源を水晶精度のタイミングでスイッチングすることにより、1ビット信号の性能を意地した電力増幅を実現しています。また音質に悪影響を与える電源電圧の変動を7次⊿Σ変調1ビットLSIにフィードバックし、リアルタイムに1ビット制御信号を補正する⊿Σダイナミックフィードバックを採用し、安定した音楽信号の増幅を可能にしています。
SM-SX100では、入力信号を約2.8MHz(64fs、fs=44.1kHz)で高速サンプリングする⊿Σ変調回路により、入力情報を忠実に内包した1ビット信号列を得ています。この際に量子化ノイズを高域に押し上げ、再生帯域内で広ダイナミックレンジを確保するための7次⊿Σ変調1チップLSIを基幹デバイスとして新開発・搭載しています。
電圧変換されたスイッチング信号はローパスフィルターでスピーカー駆動用アナログ信号に変換されます。
SACDの1ビット出力を受ける専用端子を搭載しており、SACDに記録されている1ビット信号を7次⊿Σ変調LSIへダイレクトに入力することにより、ロスの無い音楽伝送を可能しています。
1ビットアンプ方式によりアナログアンプでは難しかった高効率化を実現しており、電力消費を約1/2、発熱を約1/5以下に低減しています。
電源部/コントロール部の独立構成により相互干渉を低減しています。
1ビットユニットの内部は金メッキコネクタや金属被膜抵抗などの厳選された回路部品を採用しています。
また、ボリュームには、金メッキ多接点ワイヤーブラシ/低歪カーボンインクをしようした高品質ボリュームを採用しています。
高周波ノイズ抑制特性に優れた銅メッキシャーシや金メッキ無酸素銅基板を採用しています。
電源部には電流共振型ゼロ電源スイッチング方式のスイッチング電源を使用しており、最高スイッチング周波数1MHzの可変周波数動作により、高効率と安定した大電力供給能力を得ています。
入力端子には接続機器の電源が入ったまま接続してもノイズの出ないセーフティRCAピンジャックを採用しています。
また、バイワイヤリング対応のスピーカー端子に絶縁ダブルポータブルターミナルを採用しています。
SM-SX100には、ピーコックグリーン、カクテルブルー、チタンシルバーの3種類のバリエーションがありました。
機種の定格
型式 | 1ビットアンプ |
定格出力(1kHz) | 100W+100W(8Ω) |
周波数特性 | 5Hz~100kHz +1 -3dB |
全高調波歪率 | 0.05%(1kHz、1W出力時) |
ダイナミックレンジ | 105dB |
A/Dノイズシェーピング | 7次⊿Σ変調ノイズシェーピング |
入力端子 | ST光デジタル入力:1系統 BNC同軸デジタル入力:1系統 RCA同軸デジタル入力:1系統 角型光デジタル入力:1系統 RCAアナログ入力:2系統 XLRアナログ・バランス入力:1系統 |
出力端子 | 角型光デジタル出力:1系統 RCAアナログ出力:1系統 |
電源 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 130W |
最大外形寸法 | 幅472x高さ89x奥行462mm |
重量 | 約18.5kg |