OPTONICA SM-2000V
未発売機種(1975年頃)
解説
終段に縦型FETを採用したプリメインアンプ。
このシリーズは試作機の完成形まで出来ていたようですがシャープのオーディオ事業の方針転換によって発売には至りませんでした。
パワーアンプ部には全段直結純コンプリメンタリーOCL回路を採用しており、終段には縦型FETを採用しています。
イコライザアンプ部にはCACDSによる回路設計が施されています。
初段にはローノイズFETを採用しており、カートリッジの直結回路によって位相特性や過渡特性を改善し、ソースにより忠実な周波数特性が得られます。終段には高耐圧縦型FETを採用しており、ダイナミックマージンの改善を図っています。
トーンコントロール回路にはオペアンプICを採用しています。
ターンオーバー周波数は低域、高域共に2段階切り替え式となっており、スピーカーやカートリッジ、部屋の特性に合わせた調整が可能です。
また、トーンディフィートスイッチを搭載しておりトーン回路をジャンプできます。
プロテクション回路として応答速度の速い電子式過負荷電流制限回路を搭載しており、スピーカーケーブルを誤ってショートさせてもFET自身を保護しています。
また、電子式中点DC検出回路によって電源ON/OFF時や出力に直流が出た時にスピーカーを保護します。
テープモニター及びダビングスイッチを別々に装備しており、ダビング中に他ソースを聴くことも可能です。
ボリュームには32ステップのアッテネーターボリュームを搭載しています。
-20dBのミューティング回路を搭載しています。
ラウドネスコントロールやサブソニックフィルターを搭載しています。
プリアウト、メインイン端子を搭載しています。
機種の定格
型式 | プリメインアンプ |
<パワーアンプ部> | 回路方式 | 純コンプリメンタリOCL、終段縦型FET使用 |
実効出力 | 35W+35W(8Ω、両ch動作、20Hz~20kHz) |
高調波歪率 | 0.3%(実効出力時) |
混変調歪率 | 0.3%(実効出力時) |
周波数特性 | 5Hz~100kHz |
SN比(IHF-A、ショートサーキット) | 100dB以上 |
ダンピングファクター | 30以上(1kHz、8Ω) |
残留雑音 | 1mV以下(8Ω、プリ+パワーアンプ) |
入力感度/インピーダンス | Main in:800mV/50kΩ |
出力端子 | Speaker:A、B、A+B Headphone:4Ω~16Ω |
<プリアンプ部> | |
回路方式 | 縦型FETイコライザー、FETプリアンプ回路 |
入力感度/インピーダンス | Phono1、2 MM:2.5mV/47kΩ Tuner、Aux、Tape Monitor1、2、Tape MOnitor2(DIN):150mV/47kΩ |
Phono最大許容入力(1kHz) | 300mV |
出力レベル/負荷インピーダンス | Tape rec1、2:150mV/47kΩ Tape rec2(DIN):30mV/80kΩ Pre out:800mV/10kΩ以上 |
周波数特性 | Phono(RIAA偏差):30Hz~15kHz ±0.2dB Tuner、Aux、Tape monitor:5Hz~70kHz +0 -1dB |
SN比(IHF-A、ショートサーキット) | Phono:80dB以上 Tuner、Aux、Tape monitor:90dB |
トーンコントロール | Bassターンオーバー:600Hz、300Hz Trebleターンオーバー:1.5kHz、3kHz |
サブソニックフィルター | 10Hz、6dB/oct |
ラウドネスコントロール(Volume-34dB) | +4dB(100Hz)、+2dB(10kHz) |
ミューティング | -20dB |
<総合> | |
使用半導体 | FET:10個 IC:3個 トランジスタ:18個 ダイオード:30個 |
電源コンセント | 電源スイッチ連動:2系統 電源スイッチ非連動:1系統 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
定格消費電力 | 120W |
外形寸法 | 幅442x高さ145x奥行375mm |
重量 | 11kg |