OTTO/SANYO FMT-1300
¥35,800(1971年頃)
解説
チューナーの基本性能を重視して開発されたFM/AMチューナー。
フロントエンド部にはFETと周波数直線型3連バリコンを使用しています。
IF段には2素子のセラミックフィルタを3個、合計6素子使用しており、隣接チャンネルとの分離がシャープで、通過帯域特性もスムーズとなっています。
また、トランジスタ3個とIC2個による差動増幅回路を採用しており、十分なりみった降下を得ています。
MPX回路には新開発のモノリシックICを採用しており、信頼性を向上しています。
また、ICによる独自のダブルバランスドデモジュレータ回路によって低域から高域まで良好なセパレーションを得ています。
低周波回路には16kHzローパスフィルターを採用しており、19kHzパイロット信号のリークや不要なノイズ成分を抑えています。
周波数直線型200mm走行の大型ダイヤルを採用しています。
また、メーターには専用のFET差動回路を使ってSカーブの中心点を正確に指示するセンターゼロメーターと信号強度を指示するシグナルメーターの2メーター方式を採用しています。
ミューティングスイッチを搭載しており、ONにすると局間の不快なノイズをシャットアウトできます。
マルチプレックスノイズフィルターを搭載しており、電波が弱くてステレオ放送のSN比が十分に得られない場合、高域のノイズを左右チャンネル混合して打ち消します。
電源部にはトランジスタとツェナーダイオードを用いた定電圧回路を採用しています。
また、この定電圧回路はリップルフィルタも兼ねているため、モジュレーションハム等がありません。
FMディスクリート4ch放送用に4chアダプタへの出力端子を搭載しています。
出力レベルコントロール機能を搭載しています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FMチューナー部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
感度 | 2μV(IHF) |
高調波歪率 | mono:0.3% stereo:0.5% |
S/N | mono:70dB stereo:60db |
キャプチャーレシオ | 2.5dB |
イメージ比 | 50dB |
IF妨害比 | 90dB |
AM抑圧比 | 55dB |
2信号選択度 | 60dB |
ステレオセパレーション | 40B以上 |
アンテナインピーダンス | 75Ω、300Ω |
<AMチューナー部> | |
受信周波数 | 535kHz~1,605kHz |
感度 | 150μV/m |
イメージ比 | 45dB |
IF妨害比 | 35dB |
選択度 | 25dB |
<その他> | |
出力レベル | 0~1V |
付属機能 | FMミューティング FMステレオノイズフィルター モノ出力端子 シグナルメーター FMセンターチューニングメーター レベル調整ボリューム |
使用半導体 | トランジスタ:15個 FET:3個 IC:3個 ダイオード:14個 |
電源電圧 | AC100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 15W |
外形寸法 | 幅420x高さ130x奥行330mm |
重量 | 7.4kg |