SANSUI TU-888
¥48,900(1971年頃)
解説
S/N、歪、選択度を徹底的に追及して実用性能の向上をはかったFM/AMチューナー。
フロントエンドはFETと4連バリコンの組み合わせにより、混変調特性、イメージ比を改善しています。
FM-IF段は、6素子3段増幅のセラミックフィルターと1.5μVのアンテナ入力で動作を開始するIC1石の3段リミッターの組み合わせにより、優れたIF特性となり高品位の受信を実現しています。
Cds使用の新方式オートMPXノイズキャンセラー回路を搭載しており、入力が少なくなった時には自動的にこの回路が働き、ノイズを抑えています。
MPX段の回路構成は、SCAフィルターを2段とシャープなカットオフ特性のLC型キャリアリークフィルター、さらに無調整モールド型コイルブロックで高信頼性を得ています。
高精度の周波数直線型の4連バリコンの使用により、周波数目盛は76~90MHzまで等間隔になっています。横型のワイドダイアルで、1MHzを4分割した250Hzごとに読みとることが出来ます。
また、スモークド・アクリルを使用したファンタジック・イルミネーション・ダイアルを採用しており、指針は見やすいセルフライティングになっています。
FMアンテナ感度をDistant、Localに切替え可能なので、強電界地域から微弱電界地域でも歪の無い安定した受信が可能です。
300Ω平衡型のアンテナ入力端子のほか、75Ω端子を搭載しています。
FM受信では2つの大型メーターによる精密同調方式がとられています。
電波の強さを表わすシングル・メーターとディスクリミネーターの中心に正しく同調がとれるセンター・チューニング・メーターにより歪の最小点に、完全な同調をとることができます。
FM放送の選局の際に、局と局の間でザーという雑音が入るのを無くすため、ノイズロック式ミューティング回路を採用しており、局間ノイズを消しています。
また、強電界でも弱電界でも最適なミューティングを動作させられるように動作レベルを調整できるアジャスターを背面パネルに取り付けています。
AMのIF部は2素子のセラミックフィルターを採用した高感度、高選択度設計となっています。
さらに大型バーアンテナを使用しており、内蔵アンテナでの受信がより高感度となっています。また、アンテナ回路はハイ・インピーダンス方式により混信を排除しています。
セレクター・スイッチの切り替えで、AM、FM、FM-Stereoのインジケーター・ランプが点灯します。
FM-Stereoインジケーター回路には誤動作のないサイリスタ方式を使用しており、FMステレオ電波を受信しているときは自動的に点灯します。
フロントパネルについたレベル・コントロールによって0V~1.5Vまで可変できるアンプ用出力端子と、0.4V固定のテープデッキまたはテープレコーダー用の録音端子が用意されています。
機種の定格
型式 | FM/AMチューナー |
<FM部> | |
受信周波数 | 76MHz~90MHz |
感度 | 20dB quieting:1.4μV IHF:1.8μV |
全高調波歪率 | stereo:0.5%以下 mono:0.3%以下 |
S/N比 | 70dB以上 |
選択度 | 70dB以上 |
キャプチャー・レシオ(IHF) | 2.0dB |
IFリジェクション | 80dB以上 |
イメージ・フリクェンシー・リジェクション | 73dB以上 |
スプリアス・レスポンス・リジェクション | 90dB以上 |
FMステレオ・セパレーション | 38dB以上(400Hz) |
不要輻射 | 34dB以下 |
アンテナ入力インピーダンス | 300Ωバランス 75Ωアンバランス |
周波数特性 | 50Hz~15000Hz、+1 -2dB |
<AM部> | |
受信周波数 | 535kHz~1605kHz |
感度 | バー・アンテナ:150μV(1000kHz) IHF:20μV(1000kHz) |
イメージ・フリクェンシー・リジェクション | 65dB以上(1000kHz) |
IFリジェクション | 70dB以上 |
選択度 | 25dB(1000kHz) |
<総合> | |
出力電圧 | 0V~1.5V Tape Rec:0.4V |
電源電圧 | 100V、50Hz/60Hz |
消費電力 | 19W |
外形寸法 | 幅460x高さ140x奥行305mm |
重量 | 7.3kg |